組織活性化のカギ 「雑談」をプロデュースせよ!

組織活性化のカギ 「雑談」をプロデュースせよ!

■いま、テレワークが増えたり、カンファレンスが減ったりしたことで、
多くの職場において、スタッフの孤独感・孤立感が増し、ストレス増大・メンタルトラブル・離職増加が起きているのはご存知の通りでしょう。
そこで、昨今「雑談」が大切だと言われています。

では、職場においては、どんな雑談が良いでしょうか?

  1. 仕事のことを忘れられる雑談
  2. 自然発生して始まった雑談
  3. 自由に何でも言い合う雑談
  4. 設計された雑談

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■雑談がなぜ良いのでしょうか?

・息抜きになるから?

・仕事を忘れられるから

・リフレッシュになるから

・緊張しなくて良いから

・・・などなど、さまざまな説明が可能かもしれません。

しかし、
心理構造から考えれば、
「価値観を解放」
できるから、に尽きます。

人間が生きてゆく上で、
身体にとって呼吸することが最低限の生命活動であるのと同じように、
精神にとっては、価値観を解放することが、最低限の生命活動だからです。

「価値観を解放する」とは、
言いたいことが言えてやりたいことがやれる、
ということであり、
自分の価値観の通りに振る舞えると言うことです。

しかし、我が国の職場では、
「経営者や管理職の価値観がすべて」
「部下スタッフは、自分の価値観をもたずに、忠実に、指示命令された責任を果たせば良い」
と、長い間考えられてきました。

自分の本心を抑えて、
義や忠に生きることが美徳とされてきたことは、
テレビでも、
「忠臣蔵」
が美談としてしばしば描かれてきたことからも、わかるでしょう。

■しかし、
たとえば、みなさんの職場が、
ある日突然、上司から
「お前の意見は聞かない。
言われたことだけをやれ」
と言われる、
価値観をいっさい解放できない職場となったら、
あなたは、
何日、出勤し、頑張り続けられるでしょうか?

また、頑張り続けて、
心を病まない自信があるでしょうか?

反対に、みなさんの職場が、
ある日突然、あなたがどんな提案をしても、
上司がつねに
「お前の思うようにやってみろ!」
と言ってくれて、
また、同僚が
「きみがそう思うなら応援するよ!」
と言ってくれる、
自由に価値観を解放させてくれる職場となったら、
あなたは、
どれほど、勇気と元気を得て、
自分のやりたい仕事に夢中になれるでしょうか?

これが、
「精神にとっては、価値観を解放することが、最低限の生命活動だ」
と考えられる所以です。

■ただし、価値観を解放できるためには、
条件があります。

その場に、
「心理的安全性があること」
が不可欠だということです。

「心理的安全性」
とは、
「安心して何でも言える環境であること」
です。

環境とは、人的環境すなわち、人と人との
「関係性」
です。

安心して何でも話せる関係性とは、
どんな関係性でしょうか?

それは、

  • 否定されない
  • 非難されない
  • 失望されない
  • 軽蔑されない
  • 反対されない
  • 憐れまれない
  • 邪魔されない
  • 無視されない
  • みだりに他言されない

・・・といった、
「自分にとって不本意な受け止め方をされない」
と、安心できる関係性でしょう。

価値観の解放が、水門の開放だとすれば、
心理的安全性とは、
その水を堰き止めるものがない状態ということです。

したがって、
心理的安全性を築くためには、
お互いの発言に対して、
別の価値観によってその価値観を堰き止めないことが
必要ということになります。

言い換えれば、
「一切、ジャッジしない」と言うことでしょう。

わたしたちは、とかく、人の意見に対して、
ジャッジしがちです。

  • 必要か、不要か。
  • 緊急か、そうではないか。
  • 損になるか、得になるか。
  • 正しいか、誤っているか。
  • うまくいく保証があるのか、ないのか。
  • 好きか、嫌いか。

・・・などのジャッジです。

たとえば、会議では、
発言に責任が伴う、ということになりがちなので、
ジャッジしなければならないことが多くなります。

なので、正式な会議の場は、
価値観を解放する場にはなり得ません。

したがって、
「雑談が大事」
とは言っても、
「価値観を解放できない雑談」
なら、やらない方が良いということです。

正確にいうと、
「雑談が大事」
というよりは、
「価値観を解放できる機会と関係性が大事」
ということです。

さりとて、
業務時間中は、
コミュニケーションと言えば業務連絡や伝達事項だけで、
終業後は帰るだけ、
となれば、
職場で価値観を解放できる場面は一切ありません。

その状態を放置していれば、
ストレス増大・メンタルトラブル・離職増加につながるのは、
むしろ必然なのではないでしょうか。

だからこそ、組織を運営する経営者・管理職は、
意図的・作為的に
「価値観を解放する機会」
を設けることが重要となるのです。

■このような話題になると、
「うちの組織では、そこそこ雑談もありますよ」
という方もあります。

しかし、それは組織づくりとは言えません。

というのも、
自然発生の完全自由な雑談には限界があるからです。

その限界とは、以下の通りです。

  1. 完全自由なので、仲良し同士でしかしない
  2. 完全自由なので、心理的安全性が確保されず、仲が悪くなることもある
  3. 完全自由なので、ネガティブになることもある
  4. 完全自由なので、やめるのも自由となり、継続しないこともある

自然発生したものは、
自然消滅するものです。

発生をコントロールできていないということは、
消滅しそうになった時にもコントロールできないからです。

まして、維持したり、
内容を向上するといったコントロールもできません。

したがって、
組織マネジメントをするならば、
雑談を意図的・作為的にプロデュースすることが必要となるのです。

とはいうものの、
過度に介入すれば、
楽しい時間にならず、
意義のある雑談にはなりません。

■さて、ここで、冒頭のクイズについて。

[1]の「仕事のことを忘れられる雑談」
は、リフレッシュにはなりますが、
仕事に熱中するモチベーションにはつながりません。

そもそも、
仕事がつらいもの、忘れたいもの、という前提では、
働く人が本当に幸せになることはないでしょう。

[2]の、「自然発生して始まった雑談」
は、維持・向上することができないので、
やがて自然消滅してしまいます。

また、必ずしも、いつまでも
組織にとって良い内容で継続されるという
保証もありません。

[3]の、「自由に何でも言い合う雑談」
のように、なんでもかんでも自由とすれば、
発言の中にジャッジが混入して、
心理的安全性が損なわれてしまう可能性があります。

したがって、結論は、
上記のような点に留意した人による
ナビゲーションのもとで行われる雑談であることが
必要
ということになります。

なので、正当は、
[4]の、「設計された雑談」
と考えることが妥当でしょう。

さて、
では、どうすればよいか?

■それは、
完全に現場に任せるのではなく、
経営者・管理職が、
必要最小限の介入をする
・・・ということになります。

すなわち、以下の通りです。

  1. 原則自由の建前ながら、全員の参加を呼びかける
  2. ジャッジしない原則
  3. 自律的に行なうためのナビゲーターがいること
  4. 継続することだけは揺るがないこと

この4点、
よろしければ、みなさんが、雑談をプロデュースするための、
参考にしてください。

さらには、具体的に、

  • だれが、
  • どんなふうに、
  • どんなことばで、
  • どんなタイミングで、
  • どんなステップで導入して、

・・・といった具体的な方法が重要ですが、
それは、また別の機会に紹介します。

さて、
「雑談が組織を活性化する」
ということが感じられたならば、
雑談をプロデュースして、
健全で活発でアグレッシブな組織文化を
自由に創ることができるようになりたくはないでしょうか?

その方法が、自律進化組織研究所が提唱している
『HIT-Bit®︎』
です。

HIT-Bit®︎については、
1Dayセミナー(オンライン)を開いています。

◆2/13(土) 13:30〜16:30
◆3/13(土) 13:30〜16:30
◆4/10(土) 13:30〜16:30
・いずれも同内容です。

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