組織変革についての論説
「ジョン・コッターの変革の8段階」
それが、現実に実践され、効果を生み出すための
ポイントについて、
組織開発の実務の観点からポイントを解説しています。
>>>前回からのつづき
なお、本記事は、
組織変革が実効するために、
「患者サービス研究所ではこうしてきた」
「患者サービス研究所ならこうする」
という組織開発の実務の観点から
各ステップにおいて重要となるポイントについて述べたものであり、
コッターの理論を解説しなおしたものではありません。
【ステップ8:新しい方法を企業文化に定着させる】
■これもまた、
「その通り!」
とは思うものの、
「文化に定着させるとはどういうことか?」
得体がわからない、というのが率直なところではないでしょうか?
しかし、
この最後のステップの具体的な行動が描けなければ、
「組織変革」
にはなりません。
というのも、一時的な施策で終わってしまえば、それは
「イベント」
に過ぎず、
「組織が変わった」
とは言えないからです。
「変革以降、これが続いている」
というものがなければ、組織変革とは言えないのです。
変革は点だと思っている人がいますが、
そうではなく、
継続し続ける執念、つまり線でなければなりません。
■とかく、
「現場職員に定着させるためにはどうすれば良いか?」
と考えがちですが、
そうではありません。
現場職員も継続するべきことがありますが、
同時に、
経営者・上層部もまた継続するべきことがあります。
つまり、経営者から現場職員まで、
組織の全体が、継続してゆく当事者でなければならないのです。
具体的に、何を継続すれば良いのか?
それは、前回までで伝えたことそのものです。
すなわち、
▶︎現場からは
「大小様々な発言や行動について、
日々上層部・管理職へと情報を上げること」
▶︎上層部は、
「そのうち良い情報について、
感謝・敬意・労い・喜びなどの承認の意思表示を付して
組織全体で情報共有すること」
この組織内におけるコミュニケーションを、
ひたすら継続することです。
そして、それが当り前になった時には、
これまでに話されていなかったことが話され、
行なわれていなかったことが行なわれるようになります。
日々、新しい展開が生まれるので、
職員の方々も楽しんで
そのコミュニケーションを継続してくれる傾向があります。
上層部や管理職もまた、
予期しなかった問題提起や改善提案が上がってくるので
楽しんでこのコミュニケーションを大事に
持続したいと思えるでしょう。
ただし、
人も組織も目先のことに捉われて多忙に感じることがあり、
何かを地道に継続することは至難の業ですから、
上層部には、
第一講でお伝えした
「揺るがない信念」
が必要不可欠となります。
>>>つづく