■負責病とまでは言わないけれど、
「これも指示命令体質のせいか!」
ということが多々あります。
それほど、私たち自身が自覚できないくらい
指示命令体質が、深く染み付いているからです。
■たとえば、伝えたいことがある時に、
職員全員に呼びかけて研修で伝えるということがあります。
「個人情報保護」
「セクハラ・パワハラ防止」
「リスク管理」
など、何より、
職員の意識が変わらなければ、現場変わらないといったテーマであっても、
「とにかく、みんなを集めて話を聞いてもらおう」
ということが、多々行なわれていることは、ご存知の通りでしょう。
こうした
「意識づけ」
を、
「職員を集めて伝える」
という発想も、やはり指示命令体質の名残りの一つです。
■もしも、
単なるお知らせや、
技術や知識の伝達であれば、
集めて伝えるという形でも問題ありません。
あるいは、
プリントを配布したり、
コピー・アンド・ペーストで作成したメールを同時配信すれば、
用件が済みます。
指示命令体質のもとでは、
原則が一方通行の情報伝達なので、
「まとめて伝える」といったシンプルな方法になりがちです。
また、多くの対象に正確に指示命令を伝えようとするほど、
「同じ文面をコピーしては配る」
といった形をとろうとするのも一理あります。
しかし、
人に(しかも多くの人に)動いてもらおうというのに、
対話もなしに、
一方的に、同じ文言を配信するというのは、
考えてみれば、いかに横着なことでしょうか?
その
「こんな風に動いて欲しい」
の真剣さが伝わるはずがありません。
■上述の
「個人情報保護」
「セクハラ・パワハラ防止」
「リスク管理」
といった、
職員の意識が変わらなければ、現場変わらないといったテーマであれば、
伝達すれば良い、というものではありません。
したがって、自律進化体質のもとでは、
本人が、これらのテーマに対して、
「どのようにしたい」
と考えるか?という本人の価値観が重要です。
本人の価値観に影響をおよぼせなければ、
その後の言動に変化をもたらすこともできないからです。
■集めて一方的に同じことを伝える、というのは、
まさに指示命令感覚の産物に他ならない、ということです。
では、価値観に影響をおよぼしたい場合には、
どのようにすれば良いでしょうか?
さまざまな価値観の相手にアプローチすることになるため、
単純ではありませんが、
・まず、本人の価値観を聞くことから始める
・本人同士で意見交換をする
・変化の必要性をさまざまな方法で体感させる
・そのためには、体感できるところへ連れてゆく
・体感できるためにふさわしい人と会わせる
などが挙げることができます。
他にも方法があることと思いますが、
テーマや対象者に応じて、より良い方法を探究してゆきたいものです。
相手の意識を変え、言動を変えるならば、横着はできない、
ということが言えるのではないでしょうか。
自律進化体質を目指すならば、
まず、相手がどう感じるか?どう考えるか?
から、始めることが起点となるからです。