■高度経済成長期の大量生産の時代、
我が国は、
ロボットのような人間をたくさん育てたいと考えていました。
そのため、
「言われたことを忠実に遂行する人間づくり」
が行なわれてきたのです。
その証拠に、学校教育においては、
先生の教えた通りのことをそのまま答案用紙に書くことが正解とされる教育が、
徹底して行なわれてきたのです。
「バックトラッキング(オウム返し)」
を徹底して叩き込む教育なので、
わたしは、
「バックトラッキング教育」
と呼んでいます。
日本が学校教育の中で、
永年行なって来たバックトラッキング教育の現場では、
個性を出すことは許されません。
その結果、
「質問されたことにだけ答えれば良い」
という人間ばかりが出来上がったのが、
こんにちの日本です。
そんな組織を
「バックトラッキング組織」
と呼んでも良いでしょう。
このように、わたしたちには、
指示命令体質が、おどろくほど深く染み付いているのです。
わたしたち日本人は、
「質問されたことに対して答えなければならない」
と考えることはあっても、
「その質問自体がおかしいのではないか?」
と考えることが大の苦手です。
「AかBか、どちらにするか?」
と質問されると、
「Aにすべきか、Bにすべきか」
と、律儀に答えようとする傾向がありますが、
その質問に答える以前に、
「現状維持という選択も大事なのではないか?」
という発想にはなりにくいものです。
あるいは、
「AかBかの前に、検討し答えを出さなければならないことがあるのではないか?」
と俯瞰的に考えることができません。
■そして、ここから本題です。
このように、わたしたちには、ことごとく
バックトラッキング教育の成果が染み付いているのですが、
これからの組織運営においては、
それに甘んじているわけにはゆきません。
経営者や上層部の指示・命令に答えるだけの職員では、
いまの組織は、運営してゆけないのです。
経営者や上層部が指示・命令しないことにも
みずから気づき、
考え、
話し合い、
どんどん実践してゆく職員であってもらわなければなりません。
バックトラッキング組織を卒業して、
自律進化組織とならなければならない時代です。
自律進化組織となるために大事なのは、
「求められたことに応えられる力」
ではなく、
「なぜ、それが求められたのか?を考え、
より良く応える方法を講じる力」
です。
「用意された条件の中で考える力」
ではなく、
「既存の条件を壊し、新しい条件を創る力」
です。
それは、
「どうやるか?」
という発想に止まらずに、
「なぜやるか?」
まで遡って考え、組み立て、行動する力です。
■では、みなさんの現場は、
「どうやるか?」
にとどまる組織でしょうか?
それとも、
「なぜやるか?」
にさかのぼれる組織でしょうか?
そして、それはどこで測定できるでしょうか?
■測定方法は実はシンプルです。
「言われたことをする」
バックトラッキング組織か、
「言われていないことをできる」
自律進化組織か、
を測定するには、
「言われていないことがどれだけ行なわれているか?」
を数えれば良いのです。
組織や上司が指示・命令していないことで、
現場職員からの
気づきや
話し合いや、
実践がなされたことが、いくつあったか?
それを数えれば、明らかです。
■みなさんの現場では、
たとえば、この1ヶ月間で、
「組織や上司から言われていないこと」
がいくつ生まれましたか?
管理職に訊いてみると良いでしょう。
「きみの部署で、
きみが予期しなかった問題提起や改善提案が、
この1ヶ月で、いくつ挙がったか?」
と。
もし挙がっていないならば、
言われたことだけをするバックトラッキング組織です。
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