パワハラの発生しようがない組織を創るなら管理するな

パワハラの発生しようがない組織を創るなら管理するな

■パワハラやメンタル疾患が減らず、離職を根絶できないと悩む職場が少なくありません。
どうにかしたいと切実に思っていることでしょう。

では、組織の首脳陣が、自分の価値観を実現する、思うような組織を実現するためには、
どちらのタイプの組織運営が良いでしょうか?

  1. トップ・ダウン型の組織
  2. ボトム・アップ型の組織

=====

■思うような組織を創れるかどうか?のカギは、
「良いことは良い、ダメなものはダメ」
と言えるか?
に尽きると言えるでしょう。

とくに
「ここぞ」
という時にその明確な態度を表明できなければ
組織を一つの方向に導くことができません。

むしろ、
首脳陣がそれをできない組織が、
思うような組織になることはあり得ないことが
明らかでしょう。

しかし、多くの組織において、
これができていないケースが見受けられます。

■そして、
「良いことは良い、ダメなものはダメ」
と言い切れるためには、
強力な管理が必要であると考えがちかもしれません。

ところが、
実はその逆で、
「良いことは良い、ダメなものはダメ」
と言えるためには、
管理しないことが必要不可欠です。

管理しようとするほど、管理が効かないからです。

その理由を共有しましょう。

■表の左側が、
統制型組織、つまりトップ・ダウン型の組織です。

トップ・ダウン型組織は文字通り、
上意下達が原則です。

したがって、
スタッフを監視して評価するのは、
もちろん、上長の専権事項であり、
部下スタッフの主張に耳を貸すことはあってはなりません。

そこで、
上長が部下スタッフの働きぶりや、
マインドを確認するためには、
上長の方が現場に赴き、
スタッフの様子を見たり、

時には、
スタッフを呼んで面談をしたりと、
情報を取りにゆくことになります。

しかし、
夫婦間や恋人同士でさえ、
判りあえず愕然とすることがあるのに、
単なる同僚について、
しかもそれぞれに仕事を抱えている合間を縫って
技能やマインドを把握することは
極めて困難でしょう。

まして、部下が7人も15人もいれば、
情報を取り適正に評価するなど、
もはや不可能と言った方が性格ではないでしょうか。

こうして、
上長の目が届かない部分が生まれると、
そこでは
スタッフたちが自分たちの居心地の良い場を
形成することになります。

そこには、
スタッフ同士の力関係が生まれ、
力のある者の声が通り、
ローカル・ルールがいくつも出来上がり、
特有の秩序のもとで
密室が出来上がるというわけです。

密室の壁が高くなれば、
業務の質や、現場の状況などについて、
上長が見ても判らないという事態が生じるため、
密室は首脳陣からアンコントローラブルな
聖域となってしまいます。

こうなると、
スタッフからは、自分たちを評価する上長に
ネガティブな情報をあげることが差し控えられてしまうので、
ミスやロス、クレームなども隠されてしまいます。

首脳陣は内情が判らないために、
ますます介入しにくくなります。

当然、状況をしっかりと確認することができないので、
「良いことは良い、ダメなものはダメ」
と毅然と表明することなどできません。

「良いことは良い、ダメなものはダメ」
と示せない状況では、
組織を思うような方向へ導くことなど
決してできないことが、
お判りでしょう。

このように、
トップ・ダウン型の組織では、
論理必然的に密室が生まれてしまうので、
バックルーム(密室)組織ということもできます。

さらに言えば、
目の前や足元がどんな状態かも判らず、
危険に満ちていることから、
「ジャングル型組織」
ということもできます。

■一方、表の右側が、
ボトム・アップ型の組織です。

ボトム・アップ型組織は文字通り、
スタッフ一人ひとりの主体性が中心なので、
依存したり
他人任せにしない自治主義が原則です。

したがって、
自分の価値観や存在の意義、
働きぶりを示すのも、
自分しかいません。

わかって欲しければ、わかってもらえるようにするのも自己責任です。

スタッフが待っていても、
上長に観察され評価されない、というのが大前提です。

現場の状況も自分の状況も、
自分の考えや思いも、
各スタッフが表現します。

判って欲しいことがあれば、
上司に対してだけでなく、
部下や同僚にも発信してゆくのは自分です。

これは、
上長にとっても、
「自分から情報収集に奔走しなければならない」
理不尽なしきたりに従う必要がないということなので、
楽になれるはずです。

日々、現場のスタッフが提供する情報が、
上長のもとに流れ込んでくるからです。

おのずと
現場がガラス張りになります。
全方位からさまざまな情報が提供される
オープンな状況なので、

虚偽や誤解はただされるとともに、
一部のスタッフが
自分にだけ都合の良い環境を作ることができないので、
密室が生まれることはありません。

オープンで衆人環視のもとでは、
理不尽な言動はつねに是正され、
社会的コントロールが機能するからです。

こうした組織では、
ミスやロス、クレームは、
発生した後に隠されるどころか、

予防することが、
自分をアピールする材料となるので、
自主的に問題提起や改善提案が
挙げられるとともに、

事前に
予防策が積極的に講じられることになります。

それらの情報もまた、
誰がどんなことをしたのか?
常に発信され、
ガラス張りになるので、
誰からもそれぞれの内情が明らかに判ります。

こうなると、
首脳陣が、
「良いことは良い、ダメなものはダメ」
と明確に示すことができるようになります。

コンプライアンス上のことであれば、
首脳陣が表明しなくても、
現場のスタッフ同士で、判断することもできます。

したがって、
首脳陣は、その上で、
「どのような方向性に進めてゆきたいのか?」
を表明すれば良く、
まさに
組織を思うような方向に導くことが可能となります。

このように、
ボトム・アップ型の組織に徹すれば、
論理必然的に
スタッフ同士や部署同士の
目に見えない壁が生まれることがないので、
フィールド(公開)組織ということもできます。

さらに言えば、
視界を遮るものがなく、
どこで誰が何を思い考え、
どんな行動をしたのかが一目瞭然であり、

それに関心があれば
誰もが賛同したり、
応援に駆けつけることができる風通しの良い状況であることから、
「サバンナ型組織」
ということもできるでしょう。

■みなさんの組織では、
「上長が現場に介入できていない」
「ダメなものはダメと言えていない」
といったことはないでしょうか?

もし、そんな状態を脱却するならば、
ボトム・アップ型組織へと転換されることをお勧めします。

そのためには、
スタッフ一人ひとりが、
「自治主義」
を理解し、
自己責任で、考え話し合い行動する組織文化が
必要となります。

そんな自律型で、進化が生まれる組織を創るための
最短最速の方法が
「HIT-Bit®︎」
です。

HIT-Bit®︎については、1Dayセミナー(オンライン)を開いています。
◆5/8(土) 13:30〜16:30
◆6/12(土) 13:30〜16:30
◆7/10(土) 13:30〜16:30
(いずれも同内容です)

1Dayセミナーの詳細とエントリーはこちらからです。