■「参加型の研修をして欲しい」
という要望をしばしばお聞きします。
たしかに、
参加型研修では、その場が賑やかで前向きな雰囲気になるので、
そのような要望が上がること自体は一理あります。
しかし、ハッキリしていることですが、
「参加型研修だから、研修後の現場が変わる」
わけではありません。
コンサルタントが、
研修後の現場を変えることを
おろそかにしているからです。
そんな多くのコンサルタントが構成している
典型的な研修のパターンをお伝えしておきましょう。
■まず、参加者を4〜8人くらいのグループに分けます。
テーマは、
モチベーション研修なら、
「自分たちにできることは何か?」
を、
リーダーシップ研修なら、
「自分なら、上司にどんな上司であって欲しいか?」
をグループ・ディスカッションします。
あたかも専用に作られたシートが配られ、
各自が設問に答えを記入してから、
それをつき合わせながら
グループ・ディスカションに入る場合もあります。
あるいは、
各自が、思いついたことを自由に付箋に書き、
模造紙に貼りつけつつ、
グループ・ディスカッションしながら、
互いの意見を交換します。
いわゆるワールド・カフェ形式にして、
途中、一部の面病院ーが他のグループのテーブルに行き、
ディスカッションしてから、
またもとのテームルに戻るなどして、
グループを超えた情報共有をすることもあります。
30分もすると、
ある程度、意見が出揃うので、
傾向を分類するなどして、
グループとしての結論をまとめてもらいます。
そして、各グループから代表者が前に出て、
まとめや結論を記載した模造紙を掲示して説明をします。
■各グループからの発表が終わったところで、
コンサルタントがまとめます。
「みなさんの意見、素晴らしいです。
みなさんが、こうしたい、こうありたいと思ったことを、
ここで宣言していただきましたので、
きっと実践していただけることと思います。
ぜひ、明日からの現場で実践してください」
と。
さらに、その模造紙を、各部署に持ち帰って、
部署の壁に貼っておくように指示するコンサルタントもいます。
■要するに、
・自分たちが挙げた「こうしたい、こうありたい」である。
・内発的モチベーションなので、組織の押し付けではない。
・全員の前で公約したのだから、責任をもって実践するはず。
という、
主催者側の、都合の良いロジックです。
■反面、職員側の景色はこうです。
・忙しい中、頼んでもいないのに集められた。
・別段、話し合いたくもないのに話し合わされた。
・望んでもいないのに、全員の前で宣言させられた。
・「自分が実践したいと言ったのだから実践せよ」と言われた。
これで、
「ぜひ実践して行きたい!」
というモチベーションが上がるはずがないことは明らかでしょう。
むしろ、
したくもないことをさせられていれば、
モチベーションは下がるばかりです。
そんなわけで、
各部署に持ち帰った模造紙は、
壁に貼られることもなく、
筒状のまま、ロッカーと壁の隙間に収納されてしまう、という
ことも珍しくありません。
発表の様子を見ると、
組織の経営者・上層部は、
頼もしく感じるかもしれませんが、
だからといって、
現場が変わることはありません。
職員が、経営者と上層部の与えた
望まざるイベントに
お付き合いしてくれているだけだからです。
研修講師としても、
このように、
現場が変わらない催し物の進行係をするだけなら、
こんなに楽な仕事はありません。
しかも、多額の研修料金を受け取るコンサルタントは
誠実とは感じられません。
主催者側の自己満足研修にすぎない催し物に、
職員を巻き込み、
多額の費用と時間と労力を支払うことは、お勧めできません。
■では、どうすれば確実に現場が変わるのか?
患者サービス研究所では、その具体的手法『HIT-Bit』について、
1Dayセミナーを行なっています。
6/29(金)、7/28(土)、8/19(日)の、
いずれも東京にて、13:30〜16:30です(いずれも同じ内容です)。
詳しくはこちらからご覧になれます。
・なお、恐れ入りますが、人材事業、コンサルティング事業を
お持ちの企業や団体の方はご参加をご遠慮ください。