減点主義か加点主義か?明確でなければ組織は着いてこない

減点主義か加点主義か?明確でなければ組織は着いてこない

■この変化の激しい時代、
「スタッフには指示待ちではなく、みずから考えてチャレンジできる視野と発想を持ってほしい」
と考える経営者・管理職が増えています。

では、従来の受け身型からチャレンジングな組織にするためには、どうすれば良いでしょうか?

  1. 指示・命令されていないことをやるように呼びかける
  2. 指示・命令されていないことが行なわれることを美徳とする
  3. 指示・命令されていなかった成果を高く評価する
  4. 現場からの声が自由に上がってくる仕組みをつくる

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■みなさんの職場は、
減点主義でしょうか?
加点主義でしょうか?

これらがもしも混在していると、
現場は混乱し、
力を充分に発揮することができません。

いずれか明確にしておくことで、
初めて一貫した組織づくりが可能となります。

もし、みなさんが
総力を発揮できる組織にしたいならば、
まず、上層部が、
この点を明確にしておくことをお勧めします。

■まず、左側の図が、
これまでのカルチャーです。

(1)減点主義の思想が広まっているのは、
日本では長らく、
変化が少ない世の中が続いたからでしょう。

(2)というのも、
変化が少ない環境であれば、
知見や技術が蓄積してゆくので、
「こうすればうまくいく」
ということが明確になってゆく結果、

組織においては、
それらに基づいて、
「決められたことをこなすことが、最も効率的かつ合理的」
となるからです。

(3)したがって、
業務についても、スタッフについても、
「決められたことが、しっかりとできているか?」
が評価される最大関心事となります。

(4)なお、知見や技術は、
充分に蓄積されたものが現場に用意されているので、
「業務がこなせていないはずがない」
つまり、
「原則として、こなせているはず」
ということが前提となります。

したがって、
「普通にやっていれば100点」
が基本となり、
「こなせていなければ減点」
という
「減点主義」
へと、論理必然的になってゆきます。

減点主義をスポーツで言えば、
ちょうど、
プロボウラーが、
「300点をいかに下回らないか」を競うような
緊張感が感じられるのではないでしょうか。

(5)指示・命令したことが
こなされているかを評価すれば良いので、
「業務の状況は上司が見にゆけば良い」
ということになります。

指示・命令をした上司が見るのが
もっとも確実だからです。

すると、スタッフは、
(6)決められたことをきっちり見られ、
評価されてしまうので、
おのずと、
「決められたことに専念し、
全神経を集中し、
余計なことはしないよう萎縮する」
こととなります。

その結果、スタッフは、
(7)「楽しくはないが、報酬は変動しない」
という状況に、
一定の満足を覚えることができるようになるでしょう。

これは、昭和の中後期の、
高度経済成長期に見られた
世の中の多くの企業・組織の文化ではないでしょうか?

■一方、右側の図が、
これから目指すべきと思われるカルチャーです。

いまは
(1)変化の激しい時代であることは
改めて言うまでもないでしょう。

(2)すると、
指示・命令を待っているようでは、
重大なことを、
見逃し・見過ごし・見落としてしまいますから、
つねに、
「決められたこと以外へのチャレンジ」
をすることが、
重要となります。

(3)となれば、
業務についても、スタッフについても、
「決められたこと以外に、
何がどれだけ話し合われ、実践されたのか?」
が、組織全体の方針でもあり、
そこを積極的に評価することが必要不可欠になります。

(4)こうした社会背景や組織文化のもとでは、
本来は、
「こうしていれば満点」
という概念は存在しませんから、

むしろ、
既成概念を超えて、
「予期しなかった言動があったほど、加点する」
という
「加点主義」
に、論理必然的にならざるを得ません。

加点主義をスポーツで言えば、
ちょうど、
環境も敵もその時々で異なる野球やサッカーに条件が似ていて、
「奇策に出てでも、1点でももぎ取る」といった精神や
「今回は、どんな大胆なドラマが生まれるのか」と大胆さを楽しみにするといった
ダイナミックさが感じられるでしょう。

(5)指示・命令したこと以外に、
「上司も予期しなかったことが、
何がどれだけ行なわれたか?」
は、
当然、上司が一方的に見にゆくことはできません。

上司の想定を超えたことほど価値がありますが、
想定を超えていることほど、
上司には予想できないからです。

したがって、
「業務の状況はスタッフがみずから自己申告する仕組み」
がどうしても必要になります。

なお、
良かれと思ってしたことや、
正しいと思って自己申告したことが、
マイナス評価を受けるようでは、
スタッフは萎縮してしまい、
チャレンジングな組織にはなりません。

なので、
「現場から自由に、のびのびと申請できる仕組み」
が必要となります。

すると、スタッフは
(6)決められたこと以外へと、
どんどん視野を拡大して行くことができ、
「積極的に挑戦する」
ことが当り前の風土になります。

その結果、スタッフは、
(7)誰かの指示や命令や、
他人の価値観を押し付けられることなく、

その反対に、
自分が関心を持ったことについて、
自分なりのこだわりでアプローチし、
自分の動機で発言し行動できるので、

これ以上に
「納得感」
を得られることはありません。

なお、
発言するのも行動するのも自由なので、
思うようにいかないときに誰かのせいだと考える
他責意識が生まれる余地がなく、

おのずと、
報酬も環境も自分が創っているのだという
「自律意識」
となります。

だからこそ、
誰かのせいにすることなく、
「自分の力を充分に発揮したい」
と心から思えるということになります。

■さて、
昨今は、多くの組織でも、
(1)変化が激しい
(2)決められたこと以外へチャレンジすることが大事
(3)決められたこと以外に何がどれだけ行なわれたかを重視する
(4)なので、加点主義も良い
・・・といった考え方は増えてきたようにも見受けられます。

ただし、
(5)業務の成果を現場から自由にのびのびと上げる仕組み
が、講じられている現場は稀でしょう。

右側の図における(5)が、
加点主義の組織にする上での
絶対条件だということです。

なぜなら、
これがなければ、
予期しなかった言動があっても、
それをとりこぼしなくすべてキャッチすることができないため、
公正公平に加点することができないからです。

そのため、スタッフが、
(6)視野を広げ、積極的にチャレンジすることもできず、
すると、
(7)納得感も自律意識も醸成されません。

ということで、
冒頭のクイズ
「従来の受け身型からチャレンジングな組織にするためには、どうすれば良いか?」
について、

[1]の「指示・命令されていないことをやるように呼びかける」
[2]の「指示・命令されていないことが行なわれることを美徳とする」
[3]の「指示・命令されていなかった成果を高く評価する」
・・・は、いずれも
スタッフのチャレンジを公平公正に評価することまではできません。

[4]の「現場からの声が自由に上がってくる仕組みをつくる」
ことが必要不可欠となります。

しかし、些細なことほど、
現場は報告を挙げづらい、ということがあります。

反対に、みなさんのような経営陣・管理職も、
あまりに些細すぎることを
なんでも挙げてこられても困る、
ということもあるでしょう。

■そこで、蓄積した情報を整理して、
適切な範囲で
自己申告できるようにするための方法が
『HIT-Bit®︎』
です。

HIT-Bit®︎を実施していると、
小さな違和感、わずかな気づきも
どんどん現場から上がってきます。

それが契機となって、
大小様々な改善が生み出されます。

それらのうちの価値のある言動だけを整理して、
現場から上げてくることを
仕組み化することが可能となっています。

そのため、
HIT-Bit®︎を始めると、まもなく、
現場からの意見がどんどん上がってくるようになります。

変化の激しい現代では、
こうした、
意見がどんどん上がってくる組織へと
一日も早く舵を切る方が良いように感じられます。

HIT-Bit®︎については、1Dayセミナー(オンライン)を開いています。
◆3/13(土) 13:30〜16:30
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