■組織が一枚岩になり、
同じ方向を向いて進んでゆくんためには、
「理念が大事」
と言われています。
そこで、改めて、
自分の組織の理念を策定する、という経営者もいるでしょう。
ところが、
参考にするために他の組織の理念を見ても、
どれも、およそ
・クライアントや社会に貢献すること
・組織が安定しまたは向上すること
・職員が幸せになること
この3点がうたわれていて、
大きな差はないように感じる
という人もいるのではないでしょうか?
■しかし、理念は、そんな
似たり寄ったりで問題ありません。
・クライアントや社会に貢献すること
・組織が安定しまたは向上すること
・職員が幸せになること
この3点がうたわれていれば良いのです。
なぜなら、理念とは、
職員に俯瞰化を促すメッセージだからです。
わたしたちは、誰でも、
つい眼前のことにとらわれてしまい、
正しい方向性を見失いがちです。
自分の目の前のことにとらわれれば、
つい、楽を選んでしまったり、
業務やコミュニケーションが雑になったりしてしまうことがあります。
それが、複数の職員同士となれば、
足並みをそろえて同じ方向を向いて力を発揮する上で、
大きな摩擦になってしまうこともあります。
このように、常に近視眼的になりがちなわたしたちに、
「うちは、こんな方向を目指しているのだ」
と、俯瞰化を促し、
呼びかけることがどうしても必要となるのです。
■その役割を担うのが、まさに
「理念」
なのです。
なので、理念は、
「そもそも、この仕事を何のためにするのか?」
を振り返らせてくれるようなものであれば良いので、
・クライアントや社会に貢献すること
・組織が安定しまたは向上すること
・職員が幸せになること
この3点がうたわれていれば良い、ということです。
ことさら、個性がなくても問題ありません。
■ただし、理念が良い効果を生み出すために
大切なことが2つあります。
1つは、理念を創る時に、
経営者の言葉で創ること、です。
職員は、経営者が本気なのかどうかを見ています。
したがって、内容は他と異なることがなくても、
ありきたりの文言では、職員は着いてこないでしょう。
もう1つ、重要なことは、
「その理念が実現されているかどうか」
を確実に検証すること、です。
うたっているだけで、検証がなされなければ、
職員は結局、
経営者が本気であると感じられないからです。
また、
「こんな時はこう、あんな時はこう」
という具体的な行動基準は、経営者の価値観それぞれに異なりますから、
経営者自身が、
そのものさしを示すことが必要となるのです。
これだけは、誰かに任せたり、出来合いのもので済ませるといったことはできません。
そこで、
「今日は、こんな場面でこんな風にした」
「今日はこんなことがあって、こんな課題を感じた」
といった日常的な情報共有を設けることが不可欠となります。
■理念を創ることまではしていても、
もしかしたら、
どこまで理念が実現されているかの検証ができているとは言えない、
というところが多いのではないでしょうか?
というのも、
日常的に、理念に関わる情報共有が
できていないから、
ということが多くはないでしょうか?
そこで、
患者サービス研究所でも、
日常におけるコミュニケーション・モデルを提唱しています。