■先日、ある自治体病院に打合せに行ってきました。
職員約2,500人、研修の窓口は、
「教育研修管理室」
といった名称でした。
■まず、
「今回の研修のねらいは何でしょうか?
これだけは変えたい、という目的をお聞かせください」
と訊ねました。
すると、職員は、
「病院から挙がってきたことに応えていただければ結構です」
次に、
「では、教育研修管理室のおひとりとして、
こんな病院にしてゆきたい、というご要望をお聞かせください」
「それは特に・・・。
いまいろいろ検討しているところでして」
「数社からの提案を比較検討されるとのことですが、
今回の研修で、これだけはやって欲しい、という
研修の目的をお聞かせください。
それに合わせて企画構成したいと思います」
「どちらにするかは、見せていただいて、
総合判断で決めさせていただいています」
「このご担当者の方々は、研修をすることが目的になっているのだ」
と、気づきました。
念のため、
「この半年、管理者研修をされているとのことですが、
どのような効果が上がっていますか?」
と訊くと、
「とにかくやってみて、様子を見ているところです」
■規模の大きな、中核病院で、
教育研修管理室を設置するような組織の中にも、
あたかも消化試合のように、
研修をすることが目的になっているところがあったのでした。
こんなやりとりを、自治体の住民の方々に聞かせることが
できるでしょうか?
特に自治体病院は、税金で賄われている以上、
本当に意味のある研修を実施していただきたいものです。
効果の研修は、
お金と時間と労力の無駄になるばかりか、
職員からの研修嫌い、組織不信を招き、
さらには職員のモチベーションを大きく損なうことにもなります。
■患者サービス研究所では、いつも提案している通り、
まず、目的を明確にし、
その目的に適った講師や研修を選び、
さらに、必ずその効果測定をしていただきたいと願っています。
消化試合のような研修でお金をいただくことは、
国民医療費の無駄遣いであると考えています。
したがって、必ず効果が上がり、
「結果にコミットする」
研修やコンサルティングを見抜いていただきたいと思います。
また、患者サービス研究所は、
「本当に現場を、自律的な組織に変えたい」
とお考えになる病院組織・ご担当者の方々と
力を合わせて取り組みたいと願っています。