■以前、こんなことがありました。
職員研修の依頼があり、
現在の水準や課題を確認するため、
「昨年はどのような研修をしましたか?」
と聞くと、
「コーチングをやりました」
「その前の年は?」
と聞くと、
「その前の年もコーチングでした」
「では、なぜ、今年はコーチングではないのですか?」
と聞いたところ、
「2年続いたので・・・」
「研修の効果を検証しましたか?」
と聞くと、
「いえ、していません」
「せっかく費用をかけて研修をするなら、今回は効果測定しませんか?」
と提案しましたが
「いや、そこまでは・・・」
自治体病院でしたので、
本当にこれで住民に説明できるのかな?
と思ったことを覚えています。
■研修をすることが目的になっていると、
「どのような結果を生み出したいのか?」
「どんな組織にしたいのか?」
というゴール像の話が出てきません。
そして、
「目先の違った研修を」
「参加者が楽しかったという研修を」
「これならやれそうだと思える話を」
「疲弊している職員が元気になる話を」
という、
「研修の時間そのものをどうするか?」
という話しか出てこないものです。
■研修とは、きっかけや刺激に過ぎません。
大事なのは、
「研修後、組織がどのように変わるか?」
である以上、
研修をキックオフにしなければならないのです。
「研修後にどんな組織になりたいのか?」
「そのためには、研修後に誰が何をするのか?」
が明確になっていない研修は、
必ず、学んだことが風化します。
■また、コンサルタントの中にも、
研修後についてまったく関心を持たず、
「どんな研修をするか?」
だけを話す人がいます。
このようなコンサルタントは、
みなさんの現場が変わることには興味がありません。
講演をしてお金をもらって帰るところまでしか
見ていないということです。
こうした研修は、すればするほど、
費用と時間と労力の無駄となるだけです。
そればかりか、職員が
「また研修?うちの病院の研修、いつも意味がないよね」
と感じ、
現場職員を、研修嫌い、組織不信にすることにしかなりません。