組織がボトム・アップ型かトップ・ダウン型か診断する方法

組織がボトム・アップ型かトップ・ダウン型か診断する方法

■コロナ禍の影響もあり、このところますます、
「職員を活性化し、組織のパフォーマンスを向上したい」という声をよく聞きます。

では、スタッフが活き活きと働くようするには、次のうちどれが不可欠でしょうか?

  1. もっと力を発揮するよう教育する
  2. 前向きなスタッフを評価する
  3. 活躍しているスタッフを褒める
  4. パフォーマンスを向上したいと強く訴える
  5. ただただ聴く

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■昨今は、
「スタッフのモチベーションを上げるべき」
「スタッフが辞めない組織をつくるべき」
といったことが盛んに言われています。

でなければ、
スタッフが辞めたり、病んだり、
その結果、
組織の生産性が低下してしまうからです。

日本全体が工場のような状態だった
昭和の時代には、
高度経済成長に支えられていたので、
やる気があろうとなかろうと働いてくれれば、
それなりに結果が出たものです。

しかし、いまは、
言われたことだけを忠実にやる仕事は
海外の労働力に依存するようになり、
日本人は、
みずから気づき考え行動するといった働きをしなければ
存在価値がない時代となりました。

そうなるためには、
一人一人が自主的に考え行動してくれる組織に
しなければなりません。

その結果、
「モチベーションが大事」
「辞めない環境」
などと言われるようになったというわけです。

あるいは、
「エンゲージメント」
という言葉も流行っているようです。

「忠誠心」とか「愛着」といった意味合いだそうです。

■しかし、
なぜ、さまざまに研究されているにもかかわらず、
組織が活性化しないのでしょうか?

あるいは、
活性化した状態を持続できないのでしょうか?

それはひとえに、
「スタッフのモチベーションを上げる」
「辞めない職場をつくる」
という考えの根底に、
いまなお、やはり、
トップ・ダウンの感覚が横たわっているからです。

もしボトム・アップを目指すならば、
ボトム・アップ型組織文化が強いか?
それとも、
トップ・ダウン型組織文化が強いか?
について、
こんな指標で検証してみることが可能です。

(1)たとえば、
各部署に入った時に、
スタッフの話している声が聞こえてくるでしょうか?
それとも、
リーダーの声ばかりが聞こえてくるでしょうか?

(2)同様に、なんらかの会議の時に、
参加者からの意見や声が盛んに飛び交っているでしょうか?
それとも、
上層部・役員の声が響き渡っているでしょうか?

(3)特に、
役員会の時に、
多くの役員が旺盛に意見を交わしているでしょうか?
それとも、
重要な場面で主にトップが発言しているでしょうか?

(4)また、組織でプロジェクトに取り組む時、
現場スタッフが挙げてきた企画が多いでしょうか?
それとも、
経営者・上層部のアイディアによる企画が多いでしょうか?

(5)そもそも、日常において、
スタッフからの雑談の声が上に届いているでしょうか?
それとも、
言いたいことを言っているのはトップの方ばかりでしょうか?

これらは、言うまでもなく、
組織がトップ・ダウン型組織文化であれば、
前者の選択肢ばかりとなります。

逆に、もしみなさんの現場が
後者の選択肢ばかりであれば、
紛れもなくボトム・アップ型組織文化を醸成していると言えるでしょう。

■言い換えれば、
「どれだけ、スタッフが発言しているか?」
ということです。

もちろん、
「トップが期待することだけを発言しろ」
と言っても、萎縮させるだけで、
現場が活性化することはありません。

「業務に役立つことだけを発言しよう」
「意味のあることだけを発言しよう」
と言われても、
やらされ感を覚え、意気が下がるだけです。

なぜなら、人間は、
前向きではないことも思い、
前向きではないことも言いたい時があり、
その口を塞げば、
モチベーションが下がり、
前向きな意見すら言う気がなくなってしまうからです。

そうした話はもちろん会議の場では
できません。

となれば必然的に、
会議以外の、
非公式なことを言える機会が
職場になければならない、ということになります。

とはいうものの、
非公式な機会なので、
完全にスタッフの自由にすると、
人間は目先の得にならないことに必要性を感じないので、
継続することはありません。

まして習慣化することはありません。

となれば、
スタッフのモチベーションが高く、
辞めない組織を目指すのであれば、
必然的に、
「非公式な会話をする機会を公式に設ける」
ことが必要となります。

このようにして、
組織主導で、
「なんでも話して良い機会」
を設けることで、
スタッフがさまざまに忌憚ない発言をし、
その声をトップがキャッチすることができるようになります。

こうして、

(1)各部署に入った時に、
スタッフの話している声が聞こえてくる

(2)同様に、なんらかの会議の時に、
参加者からの意見や声が盛んに飛び交っている

(3)特に、
役員会の時に、
トップ以外の役員が旺盛に意見を交わしている

(4)また、組織でプロジェクトに取り組む時、
現場スタッフが挙げてきた企画が多い

(5)そもそも、日常において、
スタッフからの雑談の声が上に届いている

というような、
……そんな組織を実現することができるのです。

■みなさんの組織では、
どれだけ、スタッフの声を聞いているでしょうか?

スタッフの声を聞くために、
どれだけ、スタッフが話しやすい機会を設けているでしょうか?

さらに、
どれだけ、スタッフの声をしっかりキャッチしているでしょうか?

考えてみれば、
スタッフの声を聞く努力をせず、
スタッフの話やすい機会を設けず、
スタッフの声をしっかりキャッチしてもいないのに、

スタッフがモチベーションを挙げることも、
この職場で働き続けたいと思うことも、
ないでしょう。

スタッフの声を聞く努力をせず、
スタッフの話やすい機会を設けず、
スタッフの声をしっかりキャッチしてもいないのに、
スタッフからの忠誠心や愛着を求めることが
いかに履き違えた発想か、
明らかでしょう。

■したがって冒頭のクイズ
スタッフが活き活きと働くようにするには、
次のうちどれが不可欠でしょうか?
・・・について、

[1]の「もっと力を発揮するよう教育する」
[2]の「前向きなスタッフを評価する」
[3]の「活躍しているスタッフを褒める」
[4]の「パフォーマンスを向上したいと強く訴える」
・・・といった方法は、
いずれも、
とりも直さず、
トップ・上席者が
大きな声で、
多くの発言をし、
自分の思いを吐き出している姿に他なりませんから、
スタッフが活き活きとすることがないのは、自明でしょう。

人は、
自分の思いを聞いてもらえて、
わかってもらえることで、
自分の可能性が広がることを感じ、
心が明るくなり、
活き活きと何かに取り組むことができるようになるものです。

つまり、
[5]の「ただただ聴く」
が正答となります。

■では、
「非公式な会話をする機会を公式に設ける」
には、どうすればよいでしょうか?

そのための最もシンプルな手法が、
自律進化組織研究所が提唱している
『HIT-Bit®︎』
です。

1日5分、
スタッフが一人一言、発言するという
誰にでもできるコミュニケーション・モデルです。

難しい理論も高価なシステムも、
資格も経験も
知識も技術も
要りません。

HIT-Bit®︎を行なうと、
まもなく、
「スタッフの表情が変わった」
「みんなの会話が増えた」
といった変化が現れる傾向があります。

そんな中からやがて、
予期しなかった問題提起や改善提案が飛び出す、
頼もしい組織へと変わってゆきます。

もはや、
トップが
「モチベーションを上げよう」
と思わなくても、
現場からさまざまな意見や取組が生まれます。

スタッフは思い思いに話し合い、
行動するので、
やりがいと誇りを感じることができるため、
いうまでもなく、
「辞めたい」
という声も無くなってゆきます。

■ともあれ、
現場を活性化したいなら、
現場スタッフとの対話をしなければなりません。
トップや上席者からの一方的な意思表示では、
対話になっていません。

「この頃、少し聞くようにしている」
程度では、
スタッフの遠慮や猜疑心が解けることはないので、
話は交わしていても、
心の対話にはなっていません。

これでは、
スタッフのモチベーションを上げたり、
「ここで働き続けたい」
と思ってもらうことは不可能です。

では、いつから
スタッフとの対話を始めるか?

■なお、HIT-Bit®︎については1Dayセミナー(オンライン)を開いています。
 ◆2/13(土) 13:30〜16:30
 ◆3/13(土) 13:30〜16:30
 ◆4/10(土) 13:30〜16:30
(いずれも同内容です)

1Dayセミナーの詳細・申込は、こちらです。