結果の質を変えるには、関係の質を変えよ(3)

結果の質を変えるには、関係の質を変えよ(3)

■「質の良い関係」
とは、どんな関係性なのか?

肝心の「質の良い関係性」が端的に説明されていないように見受けられます。

そこで、
患者サービス研究所は、
「言いたいことが言えて、やりたいことがやれる関係性」
と定義しています。

■たとえば、
大海に放り出されたボートでみんなが遭難している時、
みなさんなら、
どうするでしょうか?

まさに
「全員参加の総力経営」
をしなければなりません。

したがって、
どんな役立ちそうにないものでもなんでも良いので、
お互いの持てる物をすべて出し合うのではないでしょうか?

もし、

  • 海に浮かんでいた板切れ
  • ポケットの中でボロボロになっていたレシート
  • のみさしのペットボトル
  • 綿でできた穴のあいたタオル

などなどが、目の前に並べられた時、

誰かが、
「ペットボトルをよく洗い、
少しだけ海水を入れてレンズにすれば、
レシートに火をつけることができ、
綿のタオルや板切れを燃やすことで、
煙を上げて、
遠くを航行する客船に助けを求めることができる」
という知恵を提供してくれるかもしれません。

4つの材料と1つの知恵で、
みんなが助かるかもしれないのです。

しかし、
もし、ボートの中で、
「穴の空いたタオルなど、何お役にも立たない」
「板切れなど使いようがない」
「ペットボトルはの持つになるだけ」
「要らないものはどんどん捨てろ」
という意見が多ければ、

知恵も提供されず、
助かるはずだったものが助からないという結果になったでしょう。

■組織においても同じでしょう。
「良い・悪い」
「使える・使えない」
「うまくいく保証が有る・無い」
などのジャッジは、後ですれば良いことです。

まずは、
「気になる」
という思い、

「こうすた方が良いのではないか」
という考えなど、

お互いの持てるものをすべて出し合えなければ、
検討することさえ始まりません。

まして生産性を上げることには繋がらないのです。

職員全員が、
あたかも一つの頭脳のように情報を共有できていたら
どんなに素晴らしいでしょう?

その状態こそが、
「質の良い関係」
だと言えるでしょう。

■では、それがわかっているのに、
なぜ、あたかも一つの頭脳のようになれないのでしょうか?

その心理構造を、次回、お伝えします。