結果の質を変えるには、関係の質を変えよ(4)

結果の質を変えるには、関係の質を変えよ(4)

■「結果の質」を向上するには、
「関係の質」を向上することが不可欠だと言われています。

では、肝心の
「質の良い関係」
とは何か?

それは、
「言いたいことが言えて、やりたいことがやれる」
周囲との関係性ということができます。

理由はシンプル。

言いたいこともやりたいことも打ち明けられなければ、
持てる力をみんなが発揮することができないので、
論理必然的に、
最大の結果を引き出すことができないからです。

■しかし、多くの職場で、
「言いたいことが言えてやりたいことがやれない」
事態に陥っているのが実情です。

学校であれ、職場であれ、
みんなが望んで集まってきたはずであるにもかかわらず、
みんなが自分を出せずに、
幸福になっていない。

実は、おかしな事態なのが、
人間社会ではないでしょうか?

■なぜ、大の大人が集まって、
そんなおかしなことに陥ってしまうのか?

そこには、
一人ひとりの中にある、
「打ち明けられない心理構造」
があるのです。

人が、自分の中にある想いを
口に出して打ち明けないのはなぜか?

冒頭の図にまとめました。

■まず、①の思い出したくもない、考えたくもない、という
強烈な拒絶反応があると、
自分自身に対しても打ち明けたくない、という心理が働きます。

いわゆるトラウマです。

また、②のように、思い出したり考えたりはするけれど、
「そんな思いを持っている自分でありたくない」
という自己否定が働くと、
他者に打ち明けたくない、という心理が働きます。

さらに、③のように、そんな自分であることを否定はしないけれど、
「口にするのは嫌だ」
という心理が働くこともあります。

この、①、②、③は、本人の内的心理なので、
組織や上司や同僚が、どうにかすることは極めて困難です。

■組織論的な問題は、それ以降です。

すなわち、④の
「打ち明けてみても、無視されるのではないか」
という不安が、
打ち明けることを阻むことがあります。

さらに、⑤のように、
無視されることはないとしても、
打ち明けたことによって、相手から、
「心配されたくない」
「失望されたくない」
「軽蔑されたくない」
といった不安が、打ち明けることを妨げることもあります。

このほか、
「憐まれるのは耐えられない」
「同情されたくない」
など、
「共感してもらえないならば、軽々に打ち明けない方が良い」
という思いが働くこともあります。

また、相手が心配・失望・軽蔑・憐み・同情といった内心の変化にとどまらず、
そんなことをいう自分に対して、
⑥のように、
「反対の意思を口に出されるのではないか?」
という不安を感じるために、打ち明けることをためらうこともあります。

心の中で思うだけでなく、
言葉にされてしまうのは、より大きな不安でしょう。

さらに、相手自身が、
内心で否定したり、実際に口に出して否定するだけでなく、
⑦のように、
「第三者に話されてしまうのではないか」
という不安もまた、本心を打ち明けることを妨げます。

そして、
内心で否定したり、
言葉で反対したり、
第三者に話すだけにとどまらず、
⑧のように、
自分の言動を、
「現実的に、態度で否定されはしないか?」
という不安を感じれば、とても打ち明ける気にはなれないでしょう。

具体的には、
それまで協力してくれていたものが協力してくれなくなってしまうとか、
関係を絶たれてしまう、ということです。

そして、そうした否定的な反応の最たるものが、
⑨のように、
「実力行使によって、反対されるのではないか」
という不安です。

物理的に邪魔されてしまうかもしれない、という不安があれば、
「絶対に打ち明けることはできない」
と固く心を閉ざしておくことになるでしょう。

■このように、
④から⑨までのように、
自分の打ち明けた言葉が、
相手の、無視、内心、口頭、態度、行動などの「否定」を引き出してしまうのではないか、
という不安があれば、
「打ち明けるのはやめておこう」
ということになります。

みなさんが、
自分の本心を打ち明けるのを躊躇する場合も、
上記のいずれかに該当していることでしょう。

要するに、
「打ち明けたくない心理」
の本質は、たった一つ。

「否定されたくない」
ということです。

■したがって、
「言いたいことが言えて、やりたいことがやれる関係性」
すなわち
「心理的安全性」
を築くためには、
「相手は(あるいは、この仲間は)、自分を否定しない」
と安心できれば良い、ということに尽きます。

具体的には、職員同士が
「決して、他者を否定しない」
関係性であることが要件となる、ということです。

「決して、否定されない」
と確信できれば、
「言いたいことがなんでも言える」
でしょう。

たとえ、
信仰や政治思想でも、
恋愛観でも、
愚痴や不満でも、言えるはずです。

そうなれば。
まして、
仕事上の話題の中で、
新たな問題提起や改善提案も口にすることができるので、
「結果の質」
が向上することにつながるのは、当然です。

では、どうすれば、
「相手は(あるいは、この仲間は)、自分を否定しない」
と安心できる関係性を築くことができるのでしょうか?

その具体的な方法について、引き続き掲載します。