負責病の事例(11) 「人員配置」

負責病の事例(11) 「人員配置」

■職員の離職を防ぐための方法として、

こんな方法がある、という話を聞きました。

 

・社員同士の関係を把握しておこう

 

・派閥になりそうな(なっている)職員は、別々のチームに分けよう

 

・各チームには、リーダーシップのあるリーダーを置こう

 

・定期的に人事異動をおこなって、派閥が育たないようにしよう

 

・リーダーも定期的に人事異動しよう

 

……これをご覧になって、みなさんも

「なんと過保護な発想だろう!」

と思ったのではないでしょうか。

 

このような考え方では、

組織の管理者は、

職員同士が仲良くなるように、

永遠に、配置を考え続けなければなりません。

 

■あるクリニックの院長先生は、

一部の職員同士の人間関係が良くないことにこまっていました。

 

そして、ある日、

「二人でやっている業務から、一人を外して別の仕事を与えようと思う。

一緒にやることが少なくなれば、ケンカも起きないだろうから」

と言うのです。

 

みなさんも、これを聞いて、

「なんと過保護なのだろう!」

と感じたのではないでしょうか。

 

■学校で言えば、

教師が、

仲の悪い生徒を別々のクラスにすることで、

いじめや喧嘩を防ぐ」

と言っているのと同じです。

 

いじめをしない人間にするとか、喧嘩をしないよう成長させるといった教育をできないと

教師がみずから認めている学校には、

お世話になりたいとは思えないでしょう。

 

■「人間関係が良くなるよう、良い環境をつくるのは、上司・管理者の仕事だ」

と考えている人も、世の中に少なくないようですが、

こうした発想は、

実は、過保護というほかありません。

 

上司や管理者は、

「職員同士がうまくいっているのか?」

「誰と誰が仲が良いのか、悪いのか?」

「そのために、誰をどこに配置してあげようか」

と、

永遠に考えなければいけないのでしょうか?

 

職場は学校ではありません。

 

仲間はずれが起きないように監視したり、

気持ちよく働けるように人を配置するのは、

職場を学校のように考え、

職員を子供のように考える、

まさに過保護な、しかも表層的な発想にほかなりません。

 

■そんな配置をしてもらった職員はどう考えるようになるでしょうか?

 

「嫌いな人は異動させてほしい」

 

「チームが気にくわないので、異動したい」

 

「なぜ楽しいチーム編成にしてくれないのか」

 

「人間関係が良くないのは上層部のせい」

 

……と、居心地が良くないことを組織のせいにする

「他責発想」

となってしまうことでしょう。

 

上層部が職員の様子を見て、

さまざまに配慮して人員配置している苦労もわからないので、

感謝することもありません。

 

■そうなることが明らかであるにも関わらず、

「うまく配置してあげて、

働きやすい環境を作ってあげようとする」

のは、

まさに、

「負責病」

と言わざるを得ません。

 

そして、上層部の苦労と現場の不満は永遠に続くこととなるのです。

 

■もし、上層部も苦労せず、現場が納得し、自律発想へと

切り替えたいなら、どうすればよいでしょうか?

 

それは、職員自身が

「職場環境を創るのも自分自身である」

と理解するようにすることです。

 

職場を変えるのは、職場で働く自分。

 

人間関係を良くするのは、その人間関係の当事者である自分。

 

考えてみればシンプルなことです。

 

自分の家庭を、他人が介入して変えてくれるでしょうか?

 

自分と恋人の関係を、第三者が介入して良くしてくれるでしょうか?

 

そして、

自分の家庭がある限り、永遠に介入してくれる他人が、世の中にいるでしょうか?

 

また、自分と恋人が夫婦となり子供を持ち老いて亡くなるまで、永遠に介入してくれる第三者が、世の中にいるでしょうか?

 

そう考えてみれば、

職場を良くするのも、

職場の人間関係を良くするのも、

その職場に勤務する自分たちをおいて他にあり得ないことがわかるはずです。

 

■それなのに、世の中には、

冒頭に挙げたように、

職員同士をうまく配置して働きやすい環境を作ってあげようとする過保護な上司や管理者が、

珍しくないのです。

 

とても滑稽なことではないでしょうか。

 

■ぜひ、みなさんには、

職員がみずから自分の働く環境を良くし、

なんでも話せる関係性を創る

「自律進化組織」

を創ることをお勧めします。

 

そうなれば、みなさんは、

「職員の誰と誰が仲が良いとか悪いとか」

「誰の仕事をどう言って取り上げ、誰と関わらないようにしてあげれば良いか」

などといった過保護な悩みから

永遠に解放されるのです。

 

■職員同士が、なんでも話し合えて、

お互いに理解し応援し合う、

風通しの良い自律進化組織を創るための方法として、

患者サービス研究所は

「HIT-Bit」

を提唱しています。

 

HIT-Bitを始めると、1ヶ月もしないうちに、

「みんなの表情が明るくなった」

「職場の空気が変わった」

と言われるようになり、

 

2ヶ月もすると、

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驚くような新しい取組や

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現場から生まれるようになっています。

 

■HIT-Bitについては、

現在、1Dayセミナーを実施しています。

 

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本当に効果が永続する組織づくりを実現したい方は、

よろしければ、ぜひご参加いただければ嬉しいです。

 

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