「ヒヤリハットは多い方が良い?少ない方が良い?」の間違い

「ヒヤリハットは多い方が良い?少ない方が良い?」の間違い

■「ヒヤリハットを挙げましょう」という病院は多いですが、
いったい、どれくらい上がっていれば充分なのでしょうか?
少なければ「そんなはずはない」と問題になり、あまりに多ければ「どうなっているのか?」と問題になるでしょう。
では、リスク管理をするためには、どうすれば良いでしょうか?

  1. 少ないからといって問題にしない
  2. 多いからと言って問題にしない
  3. ヒヤリハットを挙げさせるという仕組みをやめる

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■しばしば、
「ヒヤリハットが上がってこない」
という声を聞きます。

あるいは、
「毎月同じ数のヒヤリハットが上がってくる」
ということもあります。

せっかくヒヤリハットをあげるように言っていても、
この状態は、
本当のリスク解消にはなっていません。

ヒヤリハットが上がってこないのは、
改善ができないことを意味しており、
毎月同じ数だけ上がってくるのは、
改善に対する意識がなく、
義務的に挙げているだけだからです。

なぜそうなるのでしょうか?

■それは、その現場において、
「ヒヤリハットがあることが、失敗の申し出」
を意味している、という状況があるからです。

どうしても、
「ヒヤリハットを報告することは、
自分たちの至らない点を申告することだ」
と思ってしまうのでしょう。

そのため、
「ヒヤリハットの申告を受けても、責めない」
ということにしている現場もあります。

とはいえ、職員からすれば、
「何もなかったことにいなるわけではない」
「巡り巡って、人事評価・賞与の査定に影響しないはずがない」
と考えることでしょう。

また、周囲の迷惑になっていると思えば、
いざという時に強い依頼をできなくなるので、
「できるだけ借りを作りたくない」
という思いも働くのは避けられないでしょう。

■では、経営陣はどうすればよいでしょうか?

そんなマインドの現場に、
「月にいくつ以上あげなさい」
といったところで、
現場からは
些細なヒヤリハットしか挙げてこないので、
本当の大きな問題は挙がってくることはありません。

なにしろ、職員は、
評価を下げたり迷惑や借りになることはしたくないのですから。

つまり形骸化することは目に見えています。

この膠着状態を解消するにはどうしたらよいでしょうか?

■それは、
「ヒヤリハットを挙げましょう」
という考え方をやめることです。

そして、大小どんな改善でも良いので、
みずから気づき、考え、話し合い、改善したことを
報告するように促すことです。

初歩的なことほど、見落とされているので、
小さな改善も大歓迎。

多くの職員を巻き込んだり、
地域の協力を得るような大掛かりな改善も
もちろん大歓迎。

あるいは、他部署を指摘するような気づきも、
勇気を出したことで
改善につながっていることが素晴らしい。

そして、
そんな大小様々な改善が
「職員が10人いる部署なら、
月に10件はあがって当然でしょう」

「職員1人が、月に1件くらいは改善できるよう気づきましょう」
という目安なら、
数値目標を設けても、良いでしょう。

改善をあげなければ、
「改善すべきことが無いはずはない」
と改善を促されるものの、

改善を挙げればどんな改善であれ歓迎されるのですから、
心から
「もっと良くできることはないか?」
と、
日ごろから改善をチャンスを探して回ることを
習慣にできることでしょう。

そんな改善体質になってくれることが、
そもそも、
多くの現場において、
「ヒヤリハットを挙げましょう」
と、現場に呼びかけてきた本来の目的だったのではないでしょうか。

■さりとて、
毎月、会議の直前の数日だけ、
あわてて
「改善できることはないか?」
と、無理矢理に探しているようでは意味がありません。

では、どうすれば良いか?

毎日、とにかく一言発言して帰ることを
習慣にしておくことです。

1日に1回、
必ず、
「今日も何かあったはず」
と振り返れば、
「何一つ、問題はない。
すべてが円滑で、幸せだった」
ということになるはずがありません。

必ず、
「そういえば、あれがもう少し変われば、
効率が上がったのに」
「精度が上がるのに」
「患者さんへの対応が親切になるのに」
といったことが、出てくるはずです。

毎日振り返っていて、
月に1つも変えたいことが出てこない方が
むしろ難しいのではないでしょうか?

この1日5分、
気軽に発言しあうコミュニケーション・モデルが
「HIT-Bit」
です。

HIT-Bitを実施すると、
「より良くしよう」
「変えよう」
という発言が当り前になるので、
互いの関係性も良くなり、
どんどん改善が進むようになります。

まさに、経営者・管理職が指示命令をしなくても、
現場職員が、
みずから気づき、考え、話し合い、改善する
「自律進化組織」
が実現します。

■「では、
HIT-Bitをどのように導入したら良いか?」
また、
「良い雰囲気で続けることはできるのか?」
「スタッフの負担にならないか?」
という懸念もあるでしょう。

そのために、
HIT-Bitについて、1Dayセミナーを開いています。