■多くの医療機関(のみならず企業組織)の上層部・管理職の方々が、
「現場がみずから気づき行動する『自律進化組織』を創りたい」
と考えています。
そのために、様々な施策を取り入れていますが、
なかなかそれが効果を上げない、という状況があります。
本当に
「自律進化組織になった!」
というところがあれば、
それを真似すれば良いわけですが、
そのお手本がいまだに現れていないのが現実でしょう。
そこで、患者サービス研究所では、HIT-Bitプログラムを通じて、
多くの現場に「自律進化」を生み出し、
また、
それが永続するよう「体質化」することに成功してきました。
■その方法は、ホームページを参考にしていただくとして、
今回は、多くの医療機関・組織が
様々な施策や思想を取り入れているにも関わらず、
「なぜ、自律進化組織を創れないのか?」
について、明らかにしたいと思います。
「原因はたくさんあるか?」
というと、そんなことはありません。
たった一つ。
自律進化と正反対の、
「指示命令体質から抜け切れていない」
ことに尽きるのです。
■日本は、高度経済成長の時代を経験し、
その時代下では、
「指示命令体質」
が当り前となっていました。
なぜなら、大量生産時代においては、
「これを作ること」というゴールも、
「このように作ること」というプロセスも、
決められていたためです。
そこでは、
「指示命令」
をいかに正確に伝えるかが、コミュニケーションであり、
忠実に従うことが、従業員の美徳でした。
そんな時代においては、
社員が勝手に考え行動することは、
歓迎されていなかったどころか、
固く禁じられていたことは、想像に易いでしょう。
■しかし、昨今、いよいよ
「スタッフ全員が、それぞれみずから気づき、考え、行動して
もらわなければならない」
全員参加の総力経営を求められる時代を迎えました。
そこで、にわかに、
モチベーションだ、
リーダーシップだ、
コミュニケーション、
チームワーク、
ホスピタリティ、
ビジョン、
クレド、
アサーション、
ファシリテーション・・・
といったことが大事だと言われるようになりました。
しかし、いまだに、
「これが組織体質を変えてくれた!」
という成果は見えていません。
というのも、
いま、すべての医療機関・企業が、
頭では、
「自律進化組織にならなければならない」
と理解しつつ、
体感覚的では、
「ついつい、指示命令体質が機能してしまう」
という構造に陥っているのです。
あまりにも指示命令体質が染み付いているため、
気づいていませんが、
ことごとく
指示命令の発想に支配されているのです。
■したがって、
指示命令体質の発想を離れ、
自律進化体質の視点から見てみれば、
「それ、指示命令体質の発想だよね」
「だから、自律進化組織になることを妨げているんだ」
ということが
私たちが日常見聞きしているあっちにもこっちに
見受けられます。
頭では
「自律進化を」
と考えていながら、
組織運営においては、
ことごとく、
「指示命令体質の発想」
による施策が行われていることがわかります。
この、指示命令組織が美德とされていた時代の亡霊が、
こんにち、
ありとあらゆる職場の中にいるということです。
■これからこのブログで、
わたしたちの職場に当り前のように佇み、
自律進化組織への転換を阻んでいる原因を
「それが、指示命令組織の亡霊だ!」
と、次々と暴いてゆきます。
すると、世間に氾濫する
組織論、
リーダーシップの指南書、
モチベーションを語るビジネス書、
ホスピタリティを勧める泣ける話集、
コミュニケーションのテクニック論などが、
ことごとく
現場を変えることにつながらない理由がわかってきます。