■組織づくりの要は、管理職ですが、
みなさんの現場では、
その管理職に、きちんとミッションを伝えているでしょうか?
年功で昇格させていたなら、
組織として成り立たないのは当然です
(残念ながら、国公立病院には多いですが…)。
では、みなさんの現場では、
管理職教育において、
どのような管理職像を求めていると伝えているでしょうか?
もし、
「まだこれから」
という組織も、
「管理職の役割」
が、時代とともに変わって来ていることを
知っておくことをお勧めします。
■昭和の人事管理
▶︎時代背景は、
重工業から重化学工業へと移行する中での
高度経済成長期です。
▶︎そのため、毎年、春闘が行われて、
ベースアップするのが当り前で、
なにかあってもなくても結局昇給するならわしでした。
▶︎なので、
人事評価を真剣にしてこなかったのが実態です。
システム的に、形ばかりの評価をしてきました。
すなわち、
技能面は(製造現場の思考で)結果を参考に評価しました。
人物面は、主観評価になりますが、
いまよりはるかにハラスメントが当り前だったり、
御局様が横行したりで、
主観評価に信頼性はありませんでした。
▶︎こんな状況でしたから、
管理職が、
部下の力量や思いを見極める鑑識眼も育つわけがなく、
また部下の仕事ぶりを上席者に伝える表現力も身につけることは
ありませんでした。
▶︎それでも、
結局はベースアップしてゆくので、
従業員は、勤め上げるのが美徳という世の中でした。
▶︎要するに、
「だれも真剣に人事評価をしてこなかった時代」
それが昭和です。
■平成の人事管理
▶︎バブル崩壊とともに幕を開けて、
失われた20年から始まったのが平成です。
つまり大企業が次々と倒産する時代です。
また、バブル期に(何も生産しない)金融業が栄えたように、
主要産業が、工業から結果が目に見えないサービス業へと
移行しました。
▶︎もはやベースアップが当り前なのは
いわゆる大企業だけとなりました。
▶︎「頑張っても報われないこともある」
ということが見えてきましたが、
経営陣・管理職は、昭和の感覚が抜けきれず
高圧的だったり
理不尽な精神論がまかり通っていたので、
職員には、退職やメンタル疾患が増えました。
そのため、
「人事評価をちゃんとしなければ、
職員が病んだり、辞めてしまう」
と考える向きもありましたが、
現実には昭和時代の感覚を変えることができずにいました。
つまり、技能面については、
ひところ
極端な成果主義が導入されたましたが、
現場が萎縮したり、
かえって帰属意識が低下して、
定着率の改善に寄与しなかったことはご存知でしょう。
人物面は、
「評価をするために何らかの根拠が必要」
ということで、
目標管理制度や360度評価を導入されましたが、
主観評価の域を出ていません。
▶︎そのため、平成になっても、
管理職が、
部下の力量や思いを見極める鑑識眼も育つわけがなく、
また部下の仕事ぶりを上席者に伝える表現力も身につけることは
やはり、ありませんでした。
▶︎仕事が報われるとは限らず、
職場に、適正に評価する力がない、ということから、
職員には、
「つねに退職が選択肢の中にある」
という不健康な社会状況が続きました。
▶︎要するに、
「真剣に人事評価しなければいけないかも知れない」
とうっすら気づく人が出てきた時代が、
平成です。
■令和の人事管理
▶︎これからの令和の時代をどうつくるかは、
わたしたち次第ですが……、
今後の環境の見通しと、
組織が目指すべき方向性、
さらに
「管理職に求めるべきもの」
は、以下のようになると考えられます。
▶︎社会背景は、あらためていうまでもなく、
極度の景気低迷期が、これからも続くでしょう。
▶︎これからは、
原則として、ベースアップも昇給もなく、
もしあればそれは、
特段の業績があった時だけのものとなるでしょう。
▶︎したがって、
これまでのような形だけの人事評価を卒業し、
いよいよ、きちんと評価して、
「頑張った人が報われる」
ようにして、
頑張る人が定着してくれる職場を
真剣につくらなければならない時代となります。
そのためには、得体の知れない
「主観評価」
を極力排してゆくことが必要です。
職員が納得できるためには、
誰が見ても明らかな
「客観評価」
をメインにすることが不可欠だからです。
上司が代わっても、
前任の上司のもとで頑張ってきたことを認められなければ
モチベーションが上がることも、
働き続けようと思うことも無いのですから。
技能面は、極端な成果主義を見直すどころか、
「プロセスも含めて評価」
しなければ、
職員の萎縮を解き、
チャレンジングな働きを引き出すことはできません。
そうした、
日々の大小様々な取り組みぶりを客観的に評価することで、
人物面にも、適正に報いることができます。
▶︎そのためには、管理職には、
部下の働きぶりや想いを適切にキャッチする
「鑑識眼」
がいよいよ必要となります。
また、チャレンジングな取組や、
数値化できない成果などについても、
適切に、組織経営者・上層部に釈明して、
部下職員の今後の可能性を活かすことができる
「表現力」
が必要となります。
部下や部署の力を釈明することが、
管理職自身の立場を守ることにもなります。
▶︎このようにすることができれば、
意欲が認められることで、
チャレンジングな取組ができ、
「頑張った人が認められる現場」
が、必然的に実現します。
そうなることで、人は初めて、
「決められた以上に頑張ってみよう!」
と思うことができ、
「チャレンジすることが当り前」
というモチベーションを得ることができます。
正解がない時代、
スピードが求められる時代では、
生命線となるのが、
職員全員が
「決められた以上に頑張ってみよう!」
と思い、
「チャレンジすることが当り前」
の組織体質です。
▶︎要するに、
「真剣に人事評価をして、頑張った人に報いることが組織の生命線だ」
と切り替えるのが、
令和という時代であって欲しいものです。
■このようにしてみれば、これからは、
管理職が、
部下職員の働きぶりや想いを把握する
「鑑識眼」
と、
自分や部下の仕事ぶりを充分に上層部に説明できる
「表現力」
とを身につけることが
不可欠であることが明らかです。
なお、管理職が、
部下職員の働きぶりや想いを把握するために、
見て回り聞いて回り、ご機嫌を伺っていては、
部下職員を過保護にしてしまうだけです。
職場は学校でもなければ、
上司は神様でもありませんから、
部下職員に
「働いていればちゃんと見てもらえるのが当り前」
と履き違えさせてはなりません。
そこで、
部下職員ひとりひとりが、
みずから自分の働きぶりや想いを挙げてくるようにする
仕組みが必要となります。
それが、
1日5分のコミュニケーション・モデル
「HIT-Bit」
です。
HIT-Bitを行なうと、
現場の部下職員から、
みずからの働きぶりや想いが、日々挙がってきます。
こうすることによって、
上司の一方的な主観評価ではなく、
「いつ、どこで、誰と、どのように、何が行なわれたのか」
の事実を基にした
「客観評価」
が可能となるのです。
「HIT-Bit」
については、1Dayセミナーを行なっています。
本当に効果が永続する組織づくりを実現したい方は、
ぜひご参加ください。
◆ 2020年3月1日(日)13:30〜16:30【東京】
◆ 2020年3月29日(日)13:30〜16:30【東京】
◆参加費:1人当り4,000円
■自律進化組織が6ヶ月で生まれる方程式「HIT-Bitプログラム」
については、
ブックレットで概略をお読みいただくことも可能です。
A5判、76ページ
1部800円となります。