職員が目先のことにとらわれない組織へ

職員が目先のことにとらわれない組織へ

■職員が、職場環境に不満を抱いている時、

大抵の場合、

その職員もしくは周囲の職員の、

視野が狭くなっていることが大きな原因となっています。

 

人は、つい目先のことにとらわれがちだからです。

 

組織や環境に不満はあっても、

元を正せば、

自分が選んでこの職業に就き、

自分が選んでこの職場で働いているのであり、

さらに、

そんな職場で働き続けることを自分が選んでいることに変わりありません。

 

しかし、つい目先のことにとらわれ、視野が狭くなってしまい、

そのような経緯をつい忘れて、

組織や環境への不満を抱え続けている、

という自分を俯瞰できずに悩んでいるということが多々あります。

 

また、理不尽な上司や同僚がいて困っている場合、

その上司や同僚も、

理不尽なことで周囲を困らせるために毎日出勤しようと思ったことは

おそらく一度もなく、

自分が信じる通りにこの道を選んで今日まで来たことでしょう。

 

しかし、つい目先のことにとらわれ、視野が狭くなってしまい、

そのような経緯を忘れて、

理不尽な言動で周囲を困らせてしまっている、

という自分を俯瞰できずにいるということも多々あります。

 

人は、誰でも、つい視野が狭くなり、

上記の前者にも後者にもなりうるものです。

 

■この構造から考えれば、

組織を運営する経営者・上層部は、

「つねに、職員が視野を広げるよう、働きかける」

ことが必要になると言えるでしょう。

 

そのままにしておけば、

いつ部下職員同士の関係は悪化するかわからず、

それは如実に生産性の低下をもたらし、

現場業務や組織運営を妨げることになるからです。

 

■では、職員の視野が広がるようにするためには、

どうすればよいでしょうか?

 

・    テーマを与えてディスカッションさせる

・    業界で問題となっていることについての本で読書会をする

・    伝達講習をさせる

・    指定した外部セミナーに参加させる

・    外部講師を呼んで職員に講演を聞かせる

……といったイメージでしょうか?

 

こうした発想自体には、

実は、

ますます視野を狭くさせる効果しかありません。

 

与えられたテーマにフォーカスさせることは、

みずから視野を広げることとは反対のことだからです。

 

■では、どうするか?

 

それは、

毎日、

「何か気になることはないか?」

「何か変えたいことはないか?」

を訊くことです。

 

毎日訊かれれば、

本人はみずから視野を広げざるを得ません。

 

そして、毎日訊かれるので、

視野を広げることが習慣となります。

 

すると、いつ訊かれても、

「あれをどうにかしたい」

「これが気にかかっている」

と、他者が思いもかけないような問題提起や改善提案の

一つや二つすぐに出てくるようになるのです。

 

目先のことだけにとらわれず、

つねに何らかの問題意識を持っている職員となれば、

心強いことでしょう。

 

ただし、毎日訊いて回ることは、

現実的ではありません。

 

そこで、設計されたコミュニケーション・モデルが、

「HIT-Bit」

です。

 

HIT-Bitを行なうと、

常に、現場職員からさまざまな問題提起や改善提案が上がる、

自律進化することが当り前の組織となります。

 

そんな現場では、互いの理不尽さに悩む必要はありません。

 

自分が気になることを言い、

実践できることを実践し、

周囲と互いに承認・尊重し合うことが当り前になるからです。