■みなさんも、
「すべての結果には原因がある」
ということはご存知でしょう。
もし、自分や家族に不幸なことがあれば、
「絶対に原因を明らかにしたい」
と思うはずです。
「原因なくして起こる結果もあるさ」
と納得できる人はいないのではないでしょうか。
このように、
仏教が教えていなくても、だれもが
「因果の道理」を前提に生きていることと思います。
なお、因果の道理を前提にすると、
実は、
仏教でいう「輪廻」つまり「生まれ変わること」も
肯定したことになります。
というのも、身の回りにも
「あんな良い人が、なぜあんなに不幸な死に方を?」
ということもあれば、
「あんなに悪いことしたのに、天罰がくだらずに幸せに死んでいった」
ということもあるでしょう。
つまり、
良い原因・悪い原因を作っても
この世の人生で結果に至らず清算されないということは、
来世で清算されるということになります。
また、わたしたちは、
すでに貧富・美醜・肌の色・時代が違う
「異なる人生」
という異なる結果を受けてこの世に生まれてきている、
ということは、
異なる原因を、生まれる前、つまり前世でつくってきたとしか
説明できません。
なので、
「因果の道理」
を正確に理解している人たちは、
初めて会った人同士でも、論理必然的に、
「輪廻転生」
をも前提に話し合うことになるのです。
■ここからが本題です。
このように、同じ世界を知っている人同士が語り合うと、
「ああなるよね」
「そうそう」
「こうなるよね」
「そうそう」
と同じ景色を見てきたように、話が一致するものなのです。
そして、それは、
「自律進化組織」
というカルチャーを知っている人同士でも、同じです。
指示命令体質しかイメージできない人たちは、
口を揃えて、
「そんな風になるのか?」
「そんなことが起こるのか?」
「そんな組織が成り立つのか?」
と心配しますが、
自律進化組織を知っている人たちは、
「その点は、自然にこうなる」
「その件は、当然ああなる」
「そういう時は、気がつけばこうなっている」
と、口を揃えて同じ反応をします。
その例を挙げましょう。
■たとえば、
「自律進化組織では、職員が職員が愚痴や不満も言うが、生産性が高い」
指示命令体質のように、
職員が
「かならずどこかに正解があり、それが指示や命令となって降りてくる」
ということが前提の組織では、
職員同士が気持ちよくコミュニケーションを取る必要はありません。
しかし、
自律進化組織においては、
「正解が降りてくる」
という前提がないので、
職員一人ひとりがみずから気づき考え行動するため、
つねに全員が、
「言ってみるしかない」
「やってみるしかない」
のです。
愚痴や不満も、
「改善すれば生産性が上がる」
という問題提起でもあり、改善につながる貴重な端緒なので、
決して遠慮しなければならないことではないのです。
そうやって、
つねに愚痴か不満か効率や精度を向上しようと言う呼びかけか、
はっきりしないさまざまな意見を交わし合い、
そのうちの一部が改善されることによって、
進化が生まれるので、
当然、組織の生産性も高くなる、というわけです。
もし、同僚が指示命令体質のカルチャーしか知らなければ、
「愚痴や不満など、言うべきではない」
「愚痴や不満を言うことは、生産性を下げる」
「組織の生産性を高めるには、愚痴や不満を言わせずに頑張らせることだ」
と、考えているのではないでしょうか。
■反対に、もし、みなさんが、
上司や部下に、
「みんなで愚痴や不満を吐き出して、どんどん生産性を上げたいよね」
と言ってみた時、
「そうそう!!」
という返事が返ってきたら、その人は、
みなさんと一緒に自律進化組織を創ってくれる
頼もしい同士となってくれるはずです。