■先日、ある医療法人の役員の方と話す機会がありました。
その役員の方が不満があると言うので、
話を聞いたところ、以下のような経緯でした。
経営者から、1ヶ月近く前に、
役員会議の場において、
「今回のコロナの影響で、さまざまな不具合が見受けられた。
そこで、一度、新たな課題を抽出して、
現場で積極的に改善してゆけるように職員を育てたい」
という話があった。
しかし、
その後、経営者は、
何名かの役員とは、個別に話をして、
徐々に改善の動きを進めていたものの、
その役員ご自身には連絡がなかったのだそうです。
そして、その役員の主張したかったのは、
「不公平だ」
ということだったのです。
■ここまでで、みなさんは、
もうお察しでしょう。
「不公平だ」
という不満には、
「不公平に扱われた」
という不満が含まれています。
言い換えれば、
「公平に扱ってほしい」
という希望が含まれています。
役員が
「扱ってほしい」
という受け身の発想であることこそ、実は問題だということです。
■役員といえば、
医療法人では理事ですが、
会社では取締役、すなわち経営陣の一人です。
本来は、
何か問題が感じられれば、
みずから調べ、足を運び、聞いて回り、
課題を明確にしたら、
自分から予算を確保したり人員を揃えるなどして、
上司からの指示や命令がなくても、
自主的に改善を進めてゆかなければならない立場です。
経営者から
「現場で積極的に改善してゆけるように職員を育てたい」
と言われたら、
その場で、
「では、主だったメンバーを集めましょう。
いつにしますか?」
とその場で日時や場所を提案するくらいでなければなりません。
また、そうしていれば、
「不公平に扱われた」
と不満を覚えることもなかったはずです。
なぜなら、上司に対しても同僚に対しても、
自分の方が「扱う側」に立っているのですから、
「どう扱われたか」
ということへの不満が生まれる余地そのものが生じないのです。
■当然といえば当然ですが、
みずから動いている人は、他者に対して不満を持ちません。
うまくいかないことがあっても、
それは自分が動いている結果なので、
自分が変われば良い、ということだからです。
反対に、
他者に対して不満を持つ人は、みずから動いていないからに他なりません。
みずから動かず他者に動いてもらうから、
その他者に不満を抱く余地が生まれるという構造です。
考えてみれば必然でしょう。
■みずから気づき考え話し合い行動する人は、
他者がなにかをしていようと、していまいと、
相手の立場が上であろうと、下であろうと、
公平であろうと、なかろうと、
関係ありません。
自分が必要だと思ったら動く。
それだけです。
そんな自分への、上席者の評価が足りないと思えば、
自分がアピールする。
また、
上司が話を聞いてくれない、理解してくれないと思えば、
自分から機会をつくりだして、
プレゼンテーションする。
それだけです。
■さて、
みなさんご自身は、どうでしょうか?
また、
みなさんの現場の職員の方々は、どうでしょうか?
職員全員が、
みずから気づき、考え、話し合い、行動する
『自律進化組織』
を実現されることをお勧めします。
そして、今以上に躍動的で前進的な、
柔軟で強い組織を実現されてはいかがでしょうか?
激変の続く医療現場は、
いまや、そんな柔軟で強い組織でなければ、
次々に襲い来る荒波に打ち勝てないかもしれません。
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