組織が元気になるコミュニケーションには何があるのか

組織が元気になるコミュニケーションには何があるのか

■このところ、コロナ禍の影響で、
現場の疲弊やスタッフの離職に悩んでいる組織が少なくないように見受けられます。
その解決の鍵はコミュニケーションに尽きると考えられているようです。

では、どのようなコミュニケーションを設ければ良いでしょうか?

  1. 半期に一度みっちり行なう上司面談
  2. いわゆる1 on 1 ミーティング
  3. 目標を立てるための話し合い
  4. テーマを明確にした上での対話
  5. 盛り上がらなくても良い自然体の対話

=====

■昨今、コロナ禍の影響もあり、
これまで以上に、
「コミュニケーションが大事」
と言われるようになりました。

実際、思うようにコミュニケーションが取れないことで、
組織からスタッフの心が離れたり、
スタッフ間のチームワークが希薄になったり、
さらには、
メンタルを病んでしまう例や
離職に至ってしまうケースが増えていると言います。

一方、さまざまな理論やコンサルタントが
「コミュニケーションが大事」
「話し合うことが大事」
「お互いに褒め合うシステムが効果的」
と教えてくれているものの、

なかなか
抜本的な解決には至っていないように見受けられます。

なぜ、
改善効果につながらないのでしょうか?

■それは、
理屈では判っていても、
その通りに行動できない心理構造が、
わたしたちの中にあるからではないでしょうか。

たとえば、
「職場ではお互いに尊重し合えば良い人間関係になる」
と、誰もが頭では判っていますが、

現実には、
コロナ禍がなかった頃から、
ほぼすべての職場において、
そのあちこちで、
「人間関係が良くない」
という悩みが発生し、
離職が減らない状態が続いていたことからも判るでしょう。

■では、どんな心理構造を踏まえれば良いか?

まず、
(1)人間は、目先のことにとらわれ、
自分の本当の価値観を見失っていく
・・・という心理構造があります。

「本当は、大学に入り直したい」
「本当は、いまから留学したい」
「本当は、こんな資格をとりたい」
「本当は、娘の希望を叶えるため引っ越したい」
などなど、

「本当は」
という本心があるにもかかわらず、
眼前のことに追われて、
無数の社会的制約によって自分を諦めさせたり、

さらには
本心を忘れ去ってしまっている
・・・ということが、多々あります。

このように自分の本心を
穴を掘って埋めてしまう心理構造を、
「自己埋没」
とでも言えるでしょう。

次に、
(2)人間は、本心を打ち明けることに不慣れになっているがために、
自分にも他人にも自己開示を拒んでしまう
・・・という心理構造があります。

心に蓋をして生きているといっても良いでしょう。

それぞれの場に応じて、
本心を隠して
その場から求められる役割を果たそうとしてしまう
「ペルソナ」
とも似ています。

自分の本心に蓋をして、鍵をかけてしまう心理構造は、
「自己封鎖」
とでも言えるでしょうか。

しかし、
(3)人間には、
他人との対話や自分との対話を通じて、
自分の本当の価値観
つまり
「本当は、こんなことを大事に思っている」
という思いを取り戻したり、
再発見していくことができます。

その心理構造は、
あたかも地中深く埋没した宝物を掘り出すことに
通じるので、
「自己発掘」
「セルフ・マイニング」
と言うことができるでしょう。

そして、素晴らしいことに、
(4)人間は、
自分自身の本当の価値観を取り戻した時には、
目を輝かせ、
心が躍り、
活き活きとなって、
信じられないような底力を発揮することができます。

このように、
「価値観の解放」
が実現できた時に、
とてつもないエネルギーとともに心が輝く
「スパーク」
のような作用が起きる、ということです。

■さて、
スタッフを活性化し、
組織の生産性を上げるために必要なコミュニケーションとは、

実は、
「どんな対話をするか?」
という言動ではなく、
「いかに価値観の解放を実現するか」
という心理構造の問題なのではないでしょうか?

言い換えれば、
スタッフ一人ひとりは、みな多かれ少なかれ、
社会的制約によって本心を隠し
「自己埋没」
しており、

強固な蓋をしてしまっているために、
ちょっとやそっとの対話では本心を打ち明けられない
「自己封鎖」
に陥っているのです。

なので、
その蓋を、
スタッフ同士で互いに
何度も、優しく、それとなく、少しずつ、ノックして、
お互いに徐々に開けてゆけば、
「そういえば、本当はこうしたかったかもしれない」
といった本心を
「自己発掘」
してゆくことができます。

そして、
その先には、
「実は、自分の本当にやりたいのはこれだった!」
「こんなふうに働きたくてこの職に就いたのだった!」
「こんなふうに働きたくてここに就職した!」
「本当はこんな自分でありたいとずっと思っていた!」
といった本心を取り戻し、

目を輝かせて
活き活きと振る舞う
「価値観の解放」
を実現することが可能となります。

■では、職場において、
どうすれば、
スタッフ同士で互いに
互いの心の蓋を
何度も、優しく、それとなく、少しずつ、ノックして、
お互いに徐々に開けてゆくことができるでしょうか?

もちろん、
月一回や週一回のミーティングではないことは、
明らかでしょう。

また、
互いの価値観に対して、
・良い・悪い
・必要・不要
・緊急・不急
・損・得
などのものさしでジャッジしてはなりません。

本心が強く清らかなものばかりではありませんから、
ポジティブなことであっても、
ネガティブなことであっても、
口にできる場でなければなりません。

スタッフ同士が
互いに安心してどんなことでも話せる
心理的安全性が確保されていなければならないからです。

そんな関係性が
一度や二度で形成されることはありませんから、
おのずと、
日々継続するコミュニケーション・モデルであることが
必要となります。

というわけで、冒頭のクイズ
「スタッフを元気にし、組織を活性化するには、
どのようなコミュニケーションを設ければ良いか?」
については、

[1]の「半期に一度みっちり行なう上司面談」
[2]の「いわゆる1 on 1 ミーティング」
[3]の「目標を立てるための話し合い」
[4]の「テーマを明確にした上での対話」
いずれも
コミュニケーションの手段についての選択肢です。

一方、
[5]の「盛り上がらなくても良い自然体の対話」
が、コミュニケーションの目的つまり
「価値観の解放」
をどうすれば引き出せるか?
・・・にフォーカスしている点で、正答となると考えます。

そして、
そのためのコミュニケーション・モデルが、
自律進化組織研究所が提唱している
『HIT-Bit®︎』
です。

HIT-Bit®︎は、
1日5分、
一人一言ずつ、発言するだけです。

実際、
HIT-Bit®︎を実施した組織では、
「スタッフの表情が明るくなった」
「スタッフ同士の会話が増えた」
という変化がすぐに現れる傾向があります。

しばらく続けていると、
価値観が解放されるので、
さまざまな自発的な意見が飛び交うようになります。

普段、本人でさえ胸の奥底に抑圧していた本心を、
解放するので、
予期しなかったような意見、
思いがけない問題提起や改善提案が上がってきます。

さらには、
みずからそれぞれの想いのままに行動するようになるので、
大小さまざまなスパークに満ちた、
まさに文字通りの
「自律進化組織」
となってゆきます。

では、HIT-Bit®︎とは、どんなコミュニケーションか?

1日5分、
一人一言ずつ、発言するだけです。

コロナ禍の下でも、
価値観の解放ができている組織では、
驚くほど、
現場が活性化しています。