「結果がすべて」をやめれば、遥かに大きな結果が出る

「結果がすべて」をやめれば、遥かに大きな結果が出る

■「いまや、結果だけで判断していては、組織運営ができない」
ということを、先日もお伝えしました。

「結果がすべてだ」
という方は、昭和の時代の、古い発想です。

この昭和の時代の古い発想を、
すぐには切り替えられない人が非常に多いことにも驚かされます。

■たとえば、以前、こんなことがありました。

ある組織が、現場からの組織不信を受けていました。

しかし、上層部や執行部も、
限られた条件の中で、
それなりに努力しているにも関わらず、
報われていない様子がうかがわあれました。

そこで、わたしが、
「取締役会やプログラム会議でさまざまな話が出ているのだから
それをすべてつまびらかにした方が良い。
誰がどんな発言をしたのか、
名前も内容もわかるようにして公開すべきだ」
と提案したのです。

すると、上層部・執行部の方々の中から、
さっそく上がったのが、
「そんなことをしたら、萎縮して、発言できなくなってしまう」
という声でした。

これぞ、まさに
「発想を切り替えられない」
典型です。

■もし、執行部が、
普段から、情報を公開していれば、
他の職員は、みな、その情報を見ているのですから、

たとえ、良い成果が上がらなくても、
職員は、責めることはありません。

むしろ、
「自分たちに代わってあんなに動いてくれる人はいない」
と感じていれば、感謝するはずです。

そうなれば、さらには、
「あの人ほど、誰よりも考え、動いてくれる人はいないから、
今期、成果は上がらなかったけれど、
来期も、やはりあの人にお願いしよう」
ということにもなるはずです。

■一方、もし執行部が情報公開していなければ、
他の職員からは、結果しか見えませんから、
良い成果が上がっていなければ、
「いったいなにをしていたのだ?」
「ぜんぜん考えても動いてもいなかったのではないか?」
と思うよりほかありません。

不信を感じれば、
「この人たちに任せておくことはできない」
となります。

たとえ頑張ってきても、執行部の方々は
感謝されることもなければ、報われることもなく、
結果だけで判断され、
クビにされてしまうのです。

その他の職員の方も、
組織を信頼できないことは苦痛でしかありません。

■このように、
「誰がどんな発言をしたのか、
名前も内容もわかるようにして公開する」
方が、
お互いにとって、良いのです。

また、
「良いことは良い」
と、みんながタイムリーに判断してゆくので、
組織の生産性も向上します。

極端に言えば、
状況に応じて、フレキシブルに
職員が執行部の話し合いにアイディアを出したり、
職員が協力したりすることもできます。

さらに極端に言えば、
任期中でも執行部メンバーを交代することもできます。

こんにちの世の中は、
「任期が2年だから」
といって、2年間、問題を放置していられるような
時代ではありませんから、
「役員の任期を◯年とする」
といった規程も、時代遅れかもしれません。

それよりも、
つねに情報をつまびらかにし、
みんなで知恵と力を出し合い柔軟に運営する
「全員参加の総力経営」
をしなければならない時代ではないでしょうか。

■そのためにも、以前にもお伝えした
「WEATスキル」
を、職員全員が身につけることが急務となっています。

WEATスキルとは、

W・・・Willing(意欲)
E・・・Effort(努力)
A・・・Attitude(姿勢)
T・・・Trial(行動)

つまり、
結果が出ていなくても、
水面下に存在する
「意欲、努力、姿勢、行動を、表現し理解する能力」
のことです。

昭和の時代は、
「結果がすべて」という文化で、
結果、つまり売上高や製造数量しか見られていませんでした。

それ以外の情報は、不要とされ、
「言い訳は見苦しい」
とまで考えられてきました。

しかし、これからは、
先月の結果を、同じことをしていて、
来月も再現できるとは限らない時代です。

したがって、結果が出ていても出ていなくても、
その水面下に、どれだけ、
「WEATがあったのか?」
「職員の意欲、努力、姿勢、行動があったか?」
こそが重要となります。

したがって、職員が
WEATを説明できる表現力を持たなければならず、
経営陣・管理職が、
WEATを的確に理解できる力をもたなければなりません。

適正な情報が上がってこなければ
適正な判断ができないからです。

■では、どうすれば身につくか?

それは、毎日、結果以外の会話をすることに尽きます。

つまり、
意欲、努力、姿勢、行動についての会話です。

具体的には、

「思った」
「感じた」
「考えた」
「やりたい」
「やってみたい」
「やれたらすごい」
「やってみよう」
「やってみてよかった」
「もっとできることはないか」

といった言葉になるでしょう。

果たして、
みなさんの現場で、こんなフレーズが
飛び交っているでしょうか?

もし現場でこうした言葉が交わされていないならば、
それは、
昭和の、
「結果がすべて」
という文化が、いまだに色濃く残っていて、
切り替えられていないことの現れと言えるでしょう。

■なお、
「意欲、努力、姿勢、行動のフレーズが飛び交う会話をしましょう」
と言っても、
始まらず、続かないことでしょう。

それでは文化は生まれません。

そこで、習慣化する方法があります。

それが、1日5分のコミュニケーション・モデル
「HIT-Bit」
です。

HIT-Bitについては、
別の機会に詳しくお伝えします。