■負責病とまでは言わないけれど、
「これも指示命令体質のせいか!」
ということが多々あります。
それほど、私たち自身が自覚できないくらい
指示命令体質が、深く染み付いているからです。
■たとえば、わたしも、よく失敗していました。
「この施策は、これまでの問題を解消してくれる最適な方法だ。
これを導入させてもらうよう、会議でぜひうまく説明して通したい」
しかし、
自分の番になるまでに、
他の議題で激論が交わされたり、
経営者が不機嫌になったりで、
ぎくしゃくしたおかしな空気になってしまうということもあります。
それでも
「大事なことなのだから、わかってもらえるはず!」
と提案をしてみるのですが、
なんとなく硬い空気になり、誰も反応せず・・・。
誰かが、
「詳しいことはわからないけど、現場は忙しいので、難しいかな」
と否定的な意見を言ったりすると、
にわかに全体にもネガティブな空気が蔓延して、
「来年度は審査を受けなければならないし、当面は必要ないんじゃないか」
といった声が上がり、
結局、否決にいたる、ということがあります。
■そもそも、この
「会議で、合意を得る」
という考え自体が、
指示命令体質に通じる、一方的な視点であることに気づかなければなりません。
自律進化組織であれば、
職員一人ひとりが何を感じ、何を考えているかが、
すべての言動の起点となるため、
提案する側は、相手の気持ちにおのずと関心が向くので、
「会議の場で一方的に提案する」
という発想にはなりません。
つまり、
会議前に、充分に話し合い、
相手の思いや考え、価値観を聞き出し、
その価値観にかなった提案だということを理解してもらい、
「会議の時は味方するからね。頼むよ」
と、むしろ追い風になってもらえるようにした上で、会議の議題にかける、
ということになります。
いわば「根回し」ですが、
相手の意見を聞き、尊重した上で話を進めることは、
会議で可決を得るということだけでなく、
可決したことが実践される段階においても、
組織が味方をしてくれるようになる、極めて重要な準備段階に他なりません。
このように、自律進化体質であれば、
まず、相手がどう感じるか?どう考えるか?
から、始めることが当たり前となります。