■全員が一枚岩になって、
同じ方向に向かって力を発揮する組織を実現するためには、
「トップがゴールを明確にすること」
が重要だということは、みなさんもご存知でしょう。
そこで、多くの企業・病院が理念を定めています。
では、理念をどれくらい明確にすれば良いでしょうか?
- こんな組織になりたいというイメージ
- どんな領域で社会に貢献するか
- どんな人や地域を対象に貢献するか
- 何を大切にするかという考え方
- いつまでにどこまで、の定量的なゴール
患者サービス研究所の答案を以下に掲載しています。
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■理念については、
「ゴールは明確であるほど良い」
という話になってみると、
「数値的なゴールまで定める必要があるのか」
「理念は、永遠の目標だから方向性で良いのだ」
と言う人もいます。
実際、
「こんな領域で、
こんな人たちを対象に、
こんな考え方で貢献する
こんな組織を実現したい」
という理念は、たくさんありますが、
それ以上に
理念を具体的に策定している組織は稀でしょう。
もしさらにゴールを明確にするならば、
- いつまでに
- どんな事例が
- どれくらいの期間で
- どれくらいの頻度で
- どれくらい多くの職員が
……と、定量的な数値のゴールをうたうことになるでしょう。
しかし、
「ゴールが明確なほど実現可能性が高まる」
と知っていながら、多くの組織が、
そこまで具体的な理念をうたっていないのはなぜでしょうか?
それは、
上記のような定量的な数値のゴールを設けても、
「検証できない」
と思っているからではないでしょうか。
逆に、どうしても、
目標といえば、売上や利益になってしまうのは、
それらが、金額に現れるので、
簡単に計測することができるからでしょう。
そして、
「期間や頻度や内容の質などは測定できないのだから、
理念や目標にしても意味がない」
という固定観念が、
世の中にあるからでしょう。
■ということは、
もし、これらが、測定でき、検証することができるのであれば。
理念に織り込んで、
ゴールを明確にした方が良いはずです。
数値的に検証できれば、
進捗度も、達成率も明らかにすることができ、
ゴールの実現可能性が、飛躍的に向上するからです。
なにごとも、測定も検証もできないことは、
どんなに美しい言葉で宣言しても、
実現されることはありません。
現に、病院の理念についても、
せっかく尊いことが歌われているにも関わらず、
- 現場はやっているつもりだが、上層部からはまだまだに見えたり、
- 職員同士でも温度差があったり、
- その温度差のために職員間に摩擦が生じて嫌な思いをしていたり、
- せっかく頑張っても、きちんと評価されていなかったり
なまじ、
「これを、ちゃんとやろうよ」
という割には、
測定も検証できないとなれば、
職員の受け止め方はバラバラとなり、
職員同士お互いに摩擦が起きるのは当然なことであり、
職員間の関係性が悪くなるのは必至です。
事実上、形骸化してしまっている場合には、
そうした背景があるのではないでしょうか。
さらに、組織に不信や不満を抱く職員は、
「「組織は理想だけをいう」
とすら感じるようになってしまいます。
しかし、
実は多くの組織で、そうなっているのではないでしょうか?
■仕事は何事も、
ゴールを明確にしないならば、
悪い結果しか生まないので最初からやらない方が良いでしょう。
反対に、
もしゴールを明確にして、
進捗度・達成度を検証できる方法があるならば、
絶対に実行するべきでしょう。
なぜなら、いかなる職場、いかなる仕事でも、
目指すべき組織増のゴールがなければ、
決してそこにたどり着けないのですから。
なお、時折、
「できているかどうかを、うちでは検証している」
という組織もあります。
それはたいてい、
中期経営計画に基づいて、
「これだけの売上を作ることだ」
「◯◯センターを新設することだ」
という目標については、
一応向かっている事実があるのだから、
その検証をしているといえるはずだ、
というロジックになっているのではないでしょうか。
しかし、それで良いのでしょうか?
子育てに例えれば
心の優しい人になってほしい、と思っていても、
普段は、
勉強をしろと言い、
進学校に入れたのだから、
子育ては成功している、と思っているようなものかもしれません。
医療機関の組織づくりにおいても、
社会や地域への貢献といった素晴らしい理念を掲げつつも、
「目標は、年間医業収益〇〇億円」
そして、それを達成したのだから、
組織運営は成功している、というようなロジックになっていないでしょうか?
たしかに収益は重要ですが、それは収支面の問題であって、
組織面は、理念を実現したとは言えないのではないでしょうか?
■なぜ、こうしたことが、しばしば起こるようになっているのか?
と言えば、
根源はたった一つ、
理念が実現されているのかどうか、
「測定する方法が見えないから」
に尽きます。
測定する方法が見えていないので、
「測定など考えても仕方がないのだ」
という思考になってしまい、
「本来は測定しなければ意味がない」
ということすら忘れてしまっているように見受けられます。
■しかし、
実は、測定するものさしはあります。
どんな言動が、それだけ生まれているか?を測定すれば良いのです。
- 月間で、年間で、何回あったのか?
- それはハードルの高いことだったのか、そうでもなかったのか?
- 文化とは一時的な言動ではなく、継続する傾向なので、頻度は?
- また、文化とは一部の人間だけではないので、みんななのか?偏っているのか?
- ハードルがどうであれ、大いに喜ばれたのか、そうでもなかったのか?
・・・といった指標を設けることです。
しかし、さらに、
「指標を設けることはできても、
そんな具体的な情報を現場から拾い集めることは不可能だ」
と考える人がほとんどです。
そのため、現場でよく聞かれるのが、
「ここ数ヶ月、増えてきた」
「最近、かなり明るくなってきた」
といった主観的な意見です。
「いつ、なにが、どれだけ、どんな風に」
などの具体的な情報をあげるのは無理、と多くの人が思い込んでいる傾向があります。
その固定観念のために、思考停止しているとも言えます。
■しかし、
「いつ、なにが、どれだけ、どんな風に」
などの具体的な情報を、細大もらさず、キャッチする方法はあります。
それが、
「HIT-Bit」
です。
HIT-Bitを実施すると、
どんなに小さな言動でも、
言語化し共有し、日付とともに記録化されるので、
組織は、情報を蓄積することができます。
「何月何日に誰が、何をどうした、どう思った」
が、すべて、現場から自動的に挙がってきて、
記録に残るのです。
こうすれば、理念がどれくらい実現されているか?
- 月間・年間で何回?
- ハードルの高い、低い
- 頻度は?
- 偏りは?
- おの結果や効果、貢献度は?
・・・と、具体的に事実を基礎にして検証することができるようになります。
そして、
検証できるということは、
「さらに、次はここを目指そう」
と、引き続き、
さらなる高みを目指して向上し続けることが可能となるということを意味しています。
HIT-Bitについては、1Dayセミナーを開催しています。
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