ハラスメント「平均的な感じ方」で悩まなくて良い方法

ハラスメント「平均的な感じ方」で悩まなくて良い方法

■ハラスメント防止法では、
「ハラスメントに該当するかどうか」については
「平均的な労働者の感じ方」を基準とするとされており、
客観的な基準が設けられていません。

人と人との関係なので、個別具体的に判断しなければならないからです。

とはいえ、「これでは安心して指導・教育ができない」という声が多々あります。

では、どうすれば良いでしょうか?

  1. とにかくハラスメントとされる恐れのある指導は一切しないことにする
  2. 指導、助言、苦言、管理を一切しないことにする
  3. 得体の知れない基準に振り回されない

=====

■ハラスメント防止法が施行されています。

いま行われている
多くのパワハラ防止セミナーでは
「ハラスメントに該当するかどうかは、
平均的な労働者の感じ方による」
と説明されていて、
明確な基準がないことで
困っているという声をよく聞きます。

そしてその
「平均的」
とはその職場や業界で平均的というわけではありません。

わたしが新卒で入社した証券会社では、
ノルマが達成されず、
社員が必死にやっているように見えなければ、
支店長席から、
あの分厚い「会社四季報」が怒声とともに飛んできました。

「いますぐ実家に電話をして
投資信託に金を預けてもらえ」
という、
悪質消費者金融の取り立てのような
セリフも飛んできたものです。

そんな状況が
その会社の中では、平均的なシーンでしたが、
いまなら、
もちろんそれが世間に通用するわけがありません。

我が国の平均的な労働者の感じ方で許容される範囲を逸脱しているとして、
立派なパワハラと認定されるべきだということは
想像に易いでしょう。

しかし、
業務を進めたり、
スタッフを育成したりするために、
厳しく指導しようにも、

たとえば、
「裁判になってみなければ、
パワハラに該当するかどうかわからない」
ということでは安心して業務を遂行できません。

■ようするに、
何がパワハラに当たるのかがわからなければ、
必要な指導も意識喚起もできないので、
多くの現場では困っている、というわけです。

では、どうすれば良いか?

このカギは、
昭和の密室前提主義か、
これからの公開前提主義か、の違いにあります。

すなわち、
昭和の時代は、
結果主義が主流だったので、
多くのことが密室で行なわれていました。

そのため、
世の中にも、社会全体、多くの企業組織、私たち一人ひとりにまで、
何事も結果だけで判断する、という癖が染み付いているのです。

「パワハラと言われたら、パワハラなのだ」
という考え方は、
まさに昭和の結果主義の後遺症にほかなりません。

一方、これからは、
結果だけで判断するのではなく、
プロセスを重視して、
結果が悪くてもプロセスの中から次へのヒントを見出そうという
考え方に切り替えなければならないと
考えられつつあります。

そこには、
「プロセスもつまびらかにして、
みんなの多くの目で判断しよう」
という公開主義の考え方が前提として存在することになります。

つまり、パワハラについて言えば、
「あんなに丁寧に教えてのに、素直に効かなかった部下が悪い」
「あれ以上に良い指導方法は誰も知らないのではないか」
「あそこまで部下の気持ちを尊重したのにパワハラとはひどい」
「むしろハラスメントをしたのは部下の方だ」
・・・と、

プロセスがつまびらかになっていれば、
そのプロセスが、
どちらに非があるかを明らかにしてくれます。

情報が公開され、
誰もが自由に判断し意思表示できる環境があれば、
多くのことが、
大勢によって、
全体最適へと軌道修正される、
「社会的是正」
が起きるものです。

ハラスメントについても、
公開の下では、
衆人環視の下となるので、
いつの誰のどの言動が問題があったのか、が明らかとなり、
周囲から偏りのない判断が下されることになります。

■このようにすれば、
「平均的な労働者の感じ方とはどういうことか?
世間に出てみなければわからない」
「裁判になってみなければわからない」
と悩んでいる必要はありません。

現場で行なわれていることについて、
いつの誰にどのような言動があったのか、が
公開されていれば、
公正な監視が行われることになります。

また、それらに対して、
誰でも意見することができるようになっていれば、
一般的な感覚を逸脱した言動が防止されることでしょう。

さらに、克明に記録に残っていれば、
公正さを逸脱した言動は起こりにくくなります。

このように公開前提主義のもとであれば、
社会的是正が機能するので、
おのずと、
平均的な労働者の感じ方のいて許容される範囲を逸脱した言動が抑制され、
パワハラは発生しにくくなるのです。

反対に、密室前提主義のもとでは、
社会的是正が機能せず、
当事者だけの独善化が起こり、暴走を止められず、
おのずと常軌を逸したことへと発展する恐れ
つまり
世間の常識と乖離したパワハラが発生しやすくなるのです。

■では、
どうすれば、
「公開前提主義」
へと切り替えることができるでしょうか?

それは、
すべてのスタッフが、
日常的に、
「どのようなことが起きたか?」
について情報共有するということが必要です。

したがって、
毎日、すべてのスタッフが
一言ずつ発言するという
コミュニケーション・モデル
『HIT-Bit®︎』
が有効となるでしょう。

1日5分だけ、
部署ごとに、みんなで集まり、
気にかかったことなどを話し合うものです。

だれが、どのような状況で、どのような言動があったか、が
情報共有されるので、
どのような指導が行なわれたのか?
も、
常時、克明に情報共有されます。

この蓄積された情報を見れば、
過去の指導が、
パワハラに該当するのかしないのか、
客観的に判断することが可能となるのです。

また、
もし平均的な労働者の感じ方において許容される範囲を
逸脱する言動が見られれば、
随時、他のスタッフが意見するなどの
社会的是正が機能します。

■したがって、冒頭のクイズについては、
[1] とにかくハラスメントとされる恐れのある指導は一切しないことにする
[2] 指導、助言、苦言、管理を一切しないことにする
・・・はともに萎縮するばかりで、
健全な組織運営ができません。

よって、
[3] 得体の知れない基準に振り回されない
を正答と考えます。

どこにも正解がないからと、
萎縮していては組織運営は成り立ちません。

みずから
組織なりの一応の基準を策定し、
その中で、必要最低限の指導・教育を行なってきたプロセスを
みずから記録に残し、
釈明する力を、
組織も身につけることが大切だからです。

■このような環境があれば、もはや
「なにが平均的なのかわからない」
と困る必要は無くなるでしょう。

1日5分のコミュニケーション・モデル
『HIT-Bit®︎』
については、
さらに具体的な方法、長所、導入方法などについてを
明らかにする1Dayセミナー(オンライン)を開いています。

◆6/12 13:30〜16:30
◆7/10 13:30〜16:30
◆8/7 13:30〜16:30
(いずれも同内容です)
セミナーの詳細、参加j方法はこちらです。