■企業や組織における経営資源といえば、
一般に
ヒト・モノ・カネ・情報
と言われています。
しかし、それは
製造し販売すれば売れた時代のこと。
いまは、
激しく変化する外部環境の中で
事業を継続するには、
この4つだけがあっても足りません。
この4つ以上に重要で、
しかも大きな価値のある経営資源がああります。
しかし、それは、
目に見えるものではなく、
持ち歩くこともできず、
データのようにUSBメモリに入れることもできず、
測定することもできないので、
みなさんも、
「それが資源なのか?」
と感じるかもしれません。
ところが、
この経営資源ほど組織運営にとって
強力で重要な資源はありません。
それは何か?
■ズバリ、
「関係性」
です。
▶︎[1] まず、対外的関係性
顧客との関係性があれば、どんなに事業が安定することでしょうか?
同じ商品、同じ市場、同じ組織があっても、
外部との関係性を築けていなければ、
商品は購入してもらえません。
まして、購入してくれた人たちや世間が
良い評判を広めてくれることもありません。
逆に、外部との良い関係性が築かれていれば、
商品を好んで購入してもらうことができ、
その評判も広めてくれます。
また、これからの時代において、
しかも医療機関にとっては、
外部との良い関係性を築いておくことで、
周辺業者、時には競合医療機関、自治体、地域の協力を
得られるようにしておくことが、
存続できるかどうかのカギとなります。
たとえば、
これからは、法人や施設の枠を超えた
「協働BCP」
を作れなければなりません。
また、周囲との話し合いで、地域連携を築かなければなりません。
さらには、問題が起きた時の協働BCPを視野にいれた
「協働地域医療構想」
を作れなければなりません。
そのためには、
「外部との良い関係性」
が、
貸借対照表にも
コンピューター・サーバーにも
現れることこそありませんが、
最大の経営資源にほかならないのではないでしょうか?
▶︎[2] つぎに、内部的関係性
職員間の関係性が良くなければ、
「パフォーマンスが上がらない」
と、普段から感じていることでしょう。
パフォーマンスが下がるどころか、
離職を生むのは、まさに職員間の関係性の悪さ以外に原因はありません。
職員間の関係性が悪く、
職員が萎縮していれば、
現場から改善や進化が生まれることはありません。
お互いに気持ちよく協力し合わなければ、
業務の効率も精度も接遇も向上しません。
いかに職員への給与が最大限に活かされていないか
ということです。
内部的関係性を意識的に整えていれば、
賞与カットがあったからといって、
400人の看護師が退職希望を申し出るというような
現場業務を揺るがしかねない騒動にはならなかったはずです。
職員が毎日働いてくれていても、
活き活きとしている者がなく、
ただ業務をこなしているだけであれば、
いわば組織崩壊していると言えるでしょう。
組織が空中分解するのも時間の問題です。
その反対に、
良い関係性を築くことができれば、
上記の全てが解決します。
職員が上層部を信頼し、
職員同士が理解し協力し合い、
離職が起こらないのはもちろん、
快適に働けるので、
パフォーマンスが最大化し、
生産性、収益性がアップすることになります。
■「理屈はわかる。
しかし、そんな関係性を築くことができるのか?」
という方もあるでしょう。
「では、その目に見えない関係性とやらを誰が作れるのか?」
と、
関係性を作れる気がしないという人も
見受けられます。
「人と人の関係性だからコミュニケーションだ」
「コミュニケーションならコーチングだ」
という人もいますが、それは違います。
コーチングやファシリテーションでは、
良い関係性づくりはできません。
そもそも、
学んだことがある方はご存知だと思いますが、
コーチングもファシリテーションも、
もともとの関係性が悪ければ成果が上がらないのです。
しかし、皮肉なことに、
もともともの関係性が良ければ、
コーチングもファシリテーションもさほど必要ではありません。
■では、この第5の、
最強の経営資源である
「関係性」
は、組織は、どのように手に入れることができるのでしょうか?
そのためには、
法務には弁護士を、
税務には税理士を充てるように、
関係性マネジメントができる人を配置すれば良いのです。
関係性マネジメントに専従するポジションが、
患者サービス研究所が提唱している
「CGO(最高組織開発責任者)」
です。
関係性マネジメントを含めて、
組織開発のすべてをマネジメントすることになります。
患者サービス研究所では、
「CGOになるための1Dayセミナー」
を予定しています。