注意!なにげない日常の隅々にひそんでいる指示命令体質

注意!なにげない日常の隅々にひそんでいる指示命令体質

■自律進化組織と、指示命令組織とでは、
現場で使われる言葉が異なります。

次のうちのどれが仲間外れでしょうか?

  1. 教育研修
  2. 人事評価
  3. 職員面談
  4. 表彰
  5. 権限委譲
  6. 感謝

■自律進化組織を創りたいならば、
今日からできることがあります。

できる限り、主語が、
「職員が」
となる表現に徹するということです。

なぜなら、
自律進化組織においては、
職員が考え、
職員が話し合い、
職員が行動することが原則であって、

経営者・管理職が
考え、話し合い、行動することが、
極力少ない状態であることが望ましいからです。

もし、経営者・管理職が主語となることが多ければ、
それは、
指示命令体質に近寄っていることに他なりません。

■たとえば、みなさんの現場では、
「職員教育」
をしているでしょうか?

「教育」するのは、
もちろん、経営者・管理職の方です。

なので、
教育が行なわれれば行なわれるほど、
経営者・管理職が動いているということであり、
その分、
職員は受け身にされているということです。

自律進化組織の中においては、
「教育」はできるだけ無い方が良いでしょう。

つまり、
学びたい職員が、みずから学ぶことです。

それが「自律進化」だからです。

経営者・管理職は、
それを支援するだけで良いのです。

■また、たとえば、みなさんの現場では、
「人事評価」
をしているでしょうか?

評価も、
「経営者・管理職が」
主語となるでしょう。

もちろん、職員の働きぶりを報酬につなげるところだけは
経営者・管理職ですが、
それ以外は、誰がやっているでしょうか?

経営者・管理職が評価をすればするほど、
職員は受け身になります。

自律進化組織においては、
「自分が何を考え、話し合い、行動したのか?
を、みずから表現するのが原則でなければなりません。

多くの組織では、
上席者が一方的に見て、査定して、報酬を決めてしまい、
部下職員には口出しさせないのですから、
その結果、
部下たちが不満や不信を抱くことになるのは当然です。

職員が依存的な組織は、
自律進化組織とは逆に、
納得感の乏しい職場になってしまうのです。

■あるいは、たとえば、みなさんの現場では、
「職員面談」
をしているでしょうか?

「職員と面談をする」のは、当然、上司、すなわち、
「経営者・管理職が」
主語となります。

多くの職場では、
管理職が、時間を設け、
部下を一人ひとりつかまえて面談をする前提になっていることでしょう。

自律進化組織においては、
部下職員が、上司に判ってほしいことがあれば、
自分から上司をつかまえて、話します。

待っていれば、管理職が声をかけてくれて、
時間を設けてくれて、話を聞いてもらえるというのが、
管理好きな指示命令体質とは馴染むかもしれません。

しかし、これでは、
どちらが上司かわかりません。

部下の都合や機嫌に気を遣って
上司が面談をして、気持ちを聞き出してあげる、など
大人の社会のすることでしょうか?

■さらに、たとえば、みなさんの現場では、
「権限委譲」
という言葉を使うことがあるでしょうか?

権限を委譲するのですから、主語はもちろん、
「経営者・管理職が」
となります。

これでは、職員は、
「待っていれば、権限を譲ってもらえる」
という思考になってしまいます。

自律進化組織では、
「自分から取りにゆかなければ、だれも仕事を譲ってくれない」
というのが前提です。

なので、「部下職員が」主語となるので、
「権限奪取」
という言葉に置き換えて表現するようにした方が良いでしょう。

「うちの組織では、
経営者・管理職が権限委譲するということはない。
あるのは、
部下職員が権限奪取するということだけだ」
とならなければ、
自律進化組織ではありません。

■そして、たとえば、みなさんの現場では、
職員の良いパフォーマンスを奨励するために、
経営者・管理職の方々はどうしているでしょうか?

しばしば、
「良い事例を生み出した職員は、表彰してあげよう」
という経営者・管理職がいます。

しかし、
「表彰」
とは、
「自分の価値観に添っているので褒める」
という意思表示です。

考えてみれば、
部下が上司を表彰することがあるでしょうか?
自律進化組織の現場において親和性が高いのは
「表彰」
ではなく
「感謝」
でしょう。

上司も部下もなく、
指示命令関係を基礎としない水平の位置関係においては、
「表彰状」
ではなく、
「感謝状」
が交わされる方が良いでしょう。

しかも、
「上司が部下を」
はなるべく少ない方が良く、

「職員が職員に」
「部下が上司に」
と、原則として、
「職員が」主語となるのが自律進化組織です。

■教育、評価、職員面談、権限委譲、表彰などの
「経営者・管理職が」主語となる言葉が
飛び交っているうちは、
その言葉を耳にするたび、
部下たちは受け身になってゆくことでしょう、

代わりに、
学習、アピール、相談、権限奪取、感謝と、
「部下職員が」主語となる言葉に置き換えていれば、
つねに、
「部下自身が考え、話し合い、行動するのだ」
ということが浸透することでしょう。

■このように言葉を変えてみるということは、
経営者・管理職の方々が、今日からでもできることでしょう。

「え?権限委譲?
うちの現場の管理職は、そんなに過保護なことは誰もしない。
部下職員が、みずから権限奪取しにくるからだ」
というカルチャーにすることを、お勧めします。

とはいえ、
もちろん、言葉を変えただけでは限界があります。

さまざまな会話の中で、職員一人ひとりに、
「それは、自分が主語だよ」
「それは待っていてもダメだよ」
と、常に上司から、あるいは職員同士で、
サインを出してゆかなければなりません。

具体的にはどうするか?
「それは自分が主語になっていないじゃないか」
と、注意してばかりいては、
押し付けがましくなり、
上司部下が良い関係にはなりません。

部下が話し、それを認めながら対応することが必要となります。

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コミュニケーション・モデル、
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「HIT-Bit」
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