■結果の質を変えるには、関係の質を変えなければならない、
と言われます。
では、肝心の
「質の良い関係」
とはどんな関係か?
これがわからなければ、
この話をしている意味もありません。
患者サービス研究所は、
つまるところ、
「職員同士が何でも話せる関係性」
であると考えています。
このことは、
バック・ナンバー
『結果の質を変えるには、関係の質を変えよ』の
(1)~(4)でも詳説しています。
そして、
職員が、互いに
「何でも話せる関係性」
になるためには、
「自己開示してみたら、受け入れてもらえた」
という体験を繰り返すことが
必要不可欠です。
このことは、
バック・ナンバー
『結果の質を変えるには、関係の質を変えよ』の
(5)で述べています。
■そして、
最大の問題は、
「では、職員同士が
『自己開示してみたら、受け入れてもらえた』
という体験を繰り返すためには、
具体的にどうすれば良いか?」
ということになるでしょう。
直感でゴールにたどり着くことはないので、
前提条件を洗い出してみましょう。
■まず、何よりも、
「毎日行なうコミュニケーション・モデルであること」
が欠かせないでしょう。
時々、思い出したように対話をしても、
関係性がよくなることはありません。
たとえば、前回とても親しくなった気がしても、
しばらくぶりに会うと、
やはり距離を縮めるプロセスが必要になることが
あることは、みなさんも経験があるでしょう。
したがって、
「いつも対話している」
という状態を継続してこそ、
確実に関係性を変えることが可能となると言えるでしょう。
■また、
「テーマを決めない対話であること」
が必要です。
会議のように、
「この件について聞きたいのだ」
と言われている場で、
自分の本音を話すことはできないからです。
たとえば、
「その議題、必要ですか?」
ということは言い難いものです。
しかし、それがまぎれもなくその人の本音であれば、
それを言えない関係が
「何でも言える関係性」
とは言えないのです。
他者の意見はどうあれ、
「わたしは、これが気になる」
といったことを話せるためには、
「一切の制約がないこと」
が必要な条件なのです。
「職場で、そんな無目的なコミュニケーションをすることが正しいことなのか?」
と感じる人もいるでしょう。
それは、昭和の時代に作られた組織論の感覚の名残です。
これからの、新しい組織創りにおいては、
こうしたコミュニケーションこそが重要なのです。
「余計なことを話す時間があったら、早く帰りましょう」
という働き方改革とは、完全に反対のスタンスですね。
しかし、こうしたコミュニケーションこそが、
今後のやりがいと誇りに満ちた職場づくりには不可欠なのです。
■さらに、本音を話し合えるためには、
「お互いに、ジャッジしない」
ということが、論理必然的に大前提となります。
要否・急否・損得などの視点から
ジャッジされてしまう場では、
みんな、模範回答しか口にできません。
しかし、得てして、その常識を覆したところにこそ、
新たな展開が生まれるものです。
これまでにない結果を生み出したいなら、
これまでの常識で測らないことです。
これは、いわゆる
「心理的安全性」
を築くための初歩的な鉄則です。
■原則として、
「全員が発言する」
ということです。
本来は、すべて自由にして、
あらゆる制約を除きたいところですが、
人間は、それほど賢くはありません。
自己開示や、言語化といった、
これまで習慣にしていなかったことを
習慣にするには、
誰でも負担を感じるものです。
すると、どうしても、
「もう発言したくない」
「毎日は、タイヘンだ」
という不満が生まれてきます。
しかし、それを尊重していては、
コミュニケーションは希薄になるばかりです。
みずから周囲とのコミュニケーションを避けた結果、
コミュニケーション能力が低下し、
周囲との関係性が損なわれ、
結果、
悩み苦しんだり、
孤独になったり、
それが高齢者の場合には認知症の症状が進んだり、
独善に陥る結果、
周囲とトラブルを起こしたり、
さらには事件に発展したり、
……といった例を、みなさんもご存知の通りです。
組織運営するにあたっては、
そうしたネガティブな意向を尊重することは
得策ではありません。
したがって、
「原則として全員が発言する機会」
を設計することが必要となります。
■他にも、重要なポイントがありますが、
少なくとも、
単発の研修では人と人の関係性は変わらず、
また、
コーチングやファシリテーションといった対話術によっても
関係性を変えられるものではない、
ということが伝わったのではないでしょうか。
そして、
上記のように、
「毎日」
「自由」
「全員」
「ジャッジしない」
…といった条件を満たしたコミュニケーション・モデルを設計することが必要だと、
感じられたのではないでしょうか?
それらの条件をすべて満たしたコミュニケーション・モデル、
それが、
患者サービス研究所が提唱している
「HIT-Bit」
です。
■実際、HIT-Bitを実施している現場では、
「何でも話せる関係性」
が築かれるので、
さまざまな意見が飛び交います。
上層部や管理職が驚くように、
これまでにない問題提起や改善提案が飛び出します。
また、それらのうちの一部は、
職員がみずから実践し、
良い成果が上がっています。
風通しの良い職場になるので、
離職が減るという傾向も顕著です。
■この、人間関係を築いてゆくための
「関係設計」
は、
いまや、
職場内だけの問題ではありません。
医療機関は、
他の医療機関、地域、自治体などと、
普段から、
「気持ちよく協力してもらえる関係性」
を築いておくことが、
病院の生命線ともなっており、切実に求められる時代となりました。
そして、それは、
院長や地域連携担当者だけの役割ではなく、
職員全員が、
毎日、当事者として臨むことで、
初めて「質の良い関係」が実現する、という
職員全員の問題にほかなりません。
逆に言えば、
一部の職員が良い関係性を作ろうとしても、
一人の当事者意識のない職員によって、
相手から
「この病院はダメだ」
と感じられて、
関係づくりが台無しにされてしまう、ということもあるのです。
したがって、
一日も早く、職場全体に、
「何でも話せる関係性」
を築き、
全員参加の総力経営へと、
大きく舵を切ることをお勧めします。
なお、
1日5分のコミュニケーション・モデル
「HIT-Bit」
については、
1Dayセミナー(オンライン)を開催しています。
■「HIT-Bit1Dayセミナーについて」
【日時】
・8/1(土) 13:30~16:30
・8/29(土) 13:30~16:30
・9/19(土) 13:30~16:30
・・・いずれも同じ内容です。
【方法】
オンラインです。ZOOMを使います。パソコンやタブレットなどと、通信環境があれば、参加いただけます。
ご不安であれば、事前に通信状況を確認しましょう!ご連絡ください。
【参加費】
4,000円
※なお、組織づくりは、組織全体の取組になりますので、
できれば上層部の方々も含めた複数の方々でご参加されることをお勧めします。
(この点も、組織づくりの基本的なポイントの一つです)
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