■みなさんの現場には、
「◯◯委員会」
はありますでしょうか?
病院ならば、たくさんの委員会が活動していることでしょう。
ところが、
「委員会だけが頑張っている」
というケースをよく耳にします。
そもそも、
「委員会」
とは、「委ねられて活動する会」という意味です。
では、委員会の責任者から
「何を委ねられているのか?」
が明確にされているでしょうか?
ズバリ、
「職員全員が関与するのが大変なので、
委員会だけが活動するよう委ねられている」
のか?
あるいは、
「職員全員が活動するようになるように、
啓発することを委ねられている」
のか?
つまり、
活動代行委員会なのか、
普及啓発委員会なのか?
みなさんの現場の、あの委員会は、どちらでしょうか?
■実は、
この点を確認せずに、活動している委員会があまりにも多い、という印象です。
というのも、
さまざまな現場で、
委員会の方々が、一生懸命に話し合い、
院内を見て回ったり、
ポスターを掲示したり、
研修を企画していて、
結果、そのように自分たちだけが動き、
活動代行の実態を呈しているにもかかわらず、
その委員会の方々たちは、
「なかなか、みんなの意識が高まらない」
と嘆いており、
普及啓発を願っているようにも見受けられます。
自分たちが活動代行していては、
現場はますます、
「委員会が活動してくれるもの」
と認識するので、
よもや自分たちが活動するべきとは考えなくなりますから、
普及啓発とは、全く逆の方向へどんどん進んでゆくことになるのは、
明らかでしょう。
改めて、振り返らなければいけないのは、
もし、
「普及啓発したいならば、活動代行をしてはならない」
ということです。
もし、
普及啓発したいのであれば、委員会が
院内を見て回ったり、
ポスターを掲示したり、
研修を企画してはならない、ということです。
普及啓発したいならば、現場職員が、
院内を見て回ったり、
ポスターを掲示したり、
研修を企画するように、
委員会は導いてゆかなければならないのです。
なので、
委員がみずから院内を見て回るのではなく、
院内を見て回る人を募り、見て回ってもらうことです。
委員がみずからポスターを作って掲示するのではなく、
ポスターを作ってくれる人を募り、ふさわしい場所に掲示してもらうことです。
委員がみずから研修を企画するのではなく、
研修を企画してくれる人を募り、内容構成を考え、講師を選び、研修開催の手はずを整えてもらうことです。
普及啓発したいならば、
本来、職員を巻き込んで関わってもらうことで、関心を喚起しなければならないにも関わらず、
委員会が、
院内を見て回ったり、
ポスターを掲示したり、
研修を企画してしまっては、
その他の職員はみな、
「そういうことは全部、委員会がやってくれるもの」
と理解してしまうからです。
「委員会がやっているのだから、わたしたちがやる必要はない」
「なぜ、わたしたちがやらなければならないのか?」
と、ますます関心を希薄にしてしまうことにしかなりません。
■実は同じようなことが他にも多々あります。
たとえば、
外来フロアにコンシェルジュを配置している病院もありますが、
そのために、
医事課職員が、
「フロアでの患者対応はコンシェルジュの仕事」
と他人事になってしまっているケースがあります。
そんな認識になっている医事課職員に対応された患者さんからは、クレームが生じても不思議はありません。
また、たとえば、
QC活動と称して、年に1回、各職場から改善事例を発表させている病院も多々ありますが、
発表に関わる職員だけが、
発表に関わる時期だけやっているが、
それ以外の職員は、
「改善なら、他の職員がしている」
と思い、またそれ以外の時期には、
「発表できるとおり改善している」
と思うようになってしまっているケースがあります。
本来は、
「全員が」
「常に」
意識を持ち、さまざまな改善をできる組織になって欲しいのではないでしょうか?
■なにごとも、目的が大事です。
「普及啓発」したいのならば、
職員を巻き込むことを常に探究し続けることです。
そして、間違っても、自分たちが「活動代行」してしまわないことです。
みなさんの現場では、委員会は、
「普及啓発したいのに活動代行している」
ということはありませんでしょうか?
もし、みなさんが
「普及啓発」を重視するならば、
みなさんの現場の委員会で「活動代行」をしてしまってはいないか、確認し、
すぐに「活動代行」をやめさせることが必要です。