「部下を育てようとする」そのリーダーシップ、正反対!

「部下を育てようとする」そのリーダーシップ、正反対!

■先週、大型書店に行く機会がありました。

いつものクセで、
マネジメント、
リーダーシップ、
モチベーション、
コミュニケーションなどの
組織論の本を見て回りました。

中でも、リーダーシップの新しい本が出ていて、
平積みされているものもいくつかありました。

そのタイトルや主な見出しに目立ったのが
「叱り方」
「褒め方」
「育て方」
「伸ばし方」
「導き方」
といったフレーズでした。

いったい、世の中は、
どこまでリーダーに、
「自分がなんとかしなければならない」
という責任を負わせたいのでしょうか?

「リーダーは
部下職員を型にはめるもの」
という昭和・平成の時代の、
固定観念がまだまだ強い証拠ではないでしょうか。

しかし、
これでは、リーダーは大変です。

というのも、
叱ったり、褒めたり、導いたりと、
子供ひとり思うようには育たないものなのに、
多くの部下を思うように型にはめるなど、
不可能に近いことだからです。

しかも、最も大きな問題は、
このようにリーダーが作為的であればあるほど、
部下たちは受け身体質になるだけです。

「必要なことはリーダーから指示命令される」
と依存的になります。

それが前提となるので、
リーダーが骨を折ってくれていることに
感謝することもありません。

それどころか、願ったようにならなければ、
「私たちはリーダーの指示に従って頑張っているのに、
満足できないのは、リーダーや組織のせい」
と、他責発想となってしまいます。

これで生産性が最大化することがないことは
ご存知でしょう。

■では、より良い組織を創り、
生産性を最大化するためには、
リーダーは、どのように部下に向き合えば良いでしょうか?

「叱る」
のではなく、
変わらなきゃ!と感じさせることが大事です。

「褒めようとする」
のではなく、
素朴に敬意と感謝を感じた通りに示せば良いでしょう。

人が人を思うように
「育てる」
のはほぼ不可能ですから、
育ちたいと感じさせることを考える方が良いでしょう。

「伸ばす」
のではなく、
もっともっと伸びたいと感じさせることです。

「導く」
のではなく、
みずから視野を広げ行動を展開したいと感じさせることこそ、
大きな成長を実現することになります。

■つまり、
部下職員を活性化し、
組織の生産性を最大化するには、
「型にはめる」
リーダーになるのではなく、

「部下職員の、みずから向上したくなる気持ちを引き出す」
そんなリーダーになることを
探求することが必要でしょう。

リーダーが、叱ったり、褒めたり、導く気満々では、
部下職員たちが
受け身で、依存的、他責発想で、
感謝もしない、
情熱の乏しい組織になってしまうのです。

その反対に、
部下職員たちが、
主体的で、自律発想で、
周囲に感謝し、
当事者意識とを持つ、
やりがいと誇りに満ちた組織を創るのであれば、

リーダーは、
叱ろうとしなくてよい
褒めようとしなくてよい
育てようとしなくてよい
伸ばそうとしなくてよい
導こうとしなくてよい
・・・そんなリーダー像をゴールにすることをお勧めします。

■具体的には、どうすればよいか?

一番重要なのは、
「自分がなんとかしなければならない」
という責任を負うのとは反対に、
「どこまで肩の力を抜くことができるか?」
を探究することです。

リーダーから部下職員への
「IN-Put」
を最少化することです。

そして、部下職員たちからの
「OUT-Put」
を最大化することです。

それを習慣化することです。

患者サービス研究所では、
そのための1日5分のコミュニケーション・モデル
「HIT-Bit」
を提唱しています。

HIT-Bitを導入すると、
職員の表情が変わり、
発言が増え、
予期しなかった問題提起や改善提案が
上がってくるようになります。

リーダーは、
ただひたすら部下の声を引き出すこと、

それだけで、
職員は活性化し、
組織の生産性は最大化してゆきます。

HIT-Bitについては、1Dayセミナーを開いています。
・10/24(土) 13:30〜16:30
・11/21(土) 13:30〜16:30
・12/19(土) 13:30~16:30