■多くの組織において、
「現場を活性化するためには、
管理職がどれだけ、部署を牽引しているか?
をチェックして評価することだ」
と、考えられているのないでしょうか?
しかし、管理職の役割は、
部下職員を活性化し、
部署の生産性を向上することであるはずです。
とすれば、なによりも、
管理職を評価するのは、
「部下が活性化したか?」
「部署の生産性が上がったか?」
でなければならないのではないでしょうか。
したがって、
実績は上げつつも、
存在感がない管理職ほど、優れている、と言えるでしょう。
■昭和の時代に培われた「指示命令体質」の文化では、
管理職が部署の代表でした。
特に昭和時代の前半は戦争があり、
後半にもそのカルチャーがまだまだ残っていて、
軍隊仕込みの統制を美徳とする企業も見受けられたものです。
つまり、
「指示されたことは必ずやり遂げよ」
「指示されていないこをするな」
という命令至上主義も珍しくありませんでした。
確かに、戦場にいる軍隊だったら、
いかなる見誤りも命に関わるからです。
ただし、命令そのものが誤っていれば、
もっと大きな損害をもたらすのも事実です。
第二次世界大戦の時には、
判断すべき人が終戦を決断できなかったために、
本土も各地が攻撃されて多くの民間人が命を失ったり、
まったく実効性のない特攻隊が編成され多くの若い命が無駄にされました。
これらが、「指示命令体質」の性質です。
■一方、
自律進化体質では、
本来、職員の視点と発想と行動がすべてです。
ただし、職員がそう思っていても、
やはり、上司が発言すれば、その言葉は重いものとなります。
重いとは、
1.指示命令の意味合いを持ってしまう
ので、高圧的な発言になってしまう、という意味もあります。
さらに、
2.責任を負わなくていい
ことになるので、部下職員が、易きに流されやすくなってしまう、という意味もあるのです。
つまり、
部下職員には、上司の発言に、つい従いたくなってしまう傾向があるということです。
上司の発言には、部下職員の依存傾向を助長してしまう作用があるのです。
したがって、あえて自律進化の組織体質を築きたいのであれば、
意識的に、
「上司が存在を消す」
ことが重要となるのです。
部下職員が、
「わからなければ上司」
「困ったら上司」
「クレームになったら上司」
と思っているようでは、いつまでも自律などしません。
■そこで、
「上司は透明になれ」
ということをお勧めします。
1.透明になった方が部下が依存しなくなります。
部下職員にとっては、毎日が初めてのおつかいですから、
自律的に考え行動できるようになるためには、
上司が透明になるのが最も効率的です。
2.透明になった方が部下と関係が良くなります。
部下は、上司の発言の中に、上司のバイアスを感じるほど、
「この上司によって自分の価値観が抑圧されている」
と感じるので、
上司に反発を覚え、上司部下の関係が悪くなります。
すると、ここぞという時にも言うことを聞かなくなってしまうのです。
このように、上司が存在感を消すほど、
部下職員は自律的になって、生産性が上がるばかりか、
上司と部下の関係も良好になるのです。
■では、
「どのようにすれば、上司が存在感を消すことができるのか?」
気になるでしょうか?
たしかに、
「上司があれこれ言っても部下たちは満足にできないのだから、
上司が存在を消したら、もっとできないのではないか」
と感じるかもしれません。
鶏と卵のように感じられるかもしれませんが、
部下職員が自律的になるのを待っていては、
永遠に、変わることはありません。
やはり、管理職・上司側が、まず変わることです。
ただし、「変わる」とは、
新しいことをするのではなく、
できる限り、管理職自身が抱えていたものを肩から降ろしてゆくということです。
■具体的に、
何をどう売れば良いか?」
については、また別の機会に述べたいと思います。