明らかなコミュニケーション不足が解消されない原因

明らかなコミュニケーション不足が解消されない原因

■誰もが「コミュニケーションが足りない」と感じていて、
上層部からも「コミュニケーションを密に」と呼びかけていても、
なぜか、それが実践されないということがあります。

その最大の原因はどこにあるのでしょうか?

  1. 現場のスタッフ
  2. 管理職
  3. 幹部職員
  4. トップ

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■多くの職場で、事故やクレームが発生したときに、
「コミュニケーション不足だ」
という声が上がることが多いでしょう。

(1) まず、どんな意見が上がるか?

「みんながしっかりと情報共有できていれば、
回避できたはずだ」
あるいは、
「相手としっかり意思疎通できていれば、
誤解や不信を招かなかったはずだ」
という理由が多いのではないでしょうか。

そして、
(2) 次に、
「コミュニケーションを密にしなければいけない」
という意見が上がるのは当然です。

これに反対する人はいません。

周囲とコミュニケーションが取れていれば、
自分自身も、
孤独に陥らず、
周囲との協力関係が築けるので、
良いことばかりだからです。

そこで、経営者・管理職が、
(3) 
「コミュニケーションをとる機会を設けよう」
と考えることになります。

多くの企業や組織で思いつくのは、
・忘年会、新年会、納涼会
・バーベキュー大会
・ボーリング大会
・職員旅行
・・・などなど。

ところが、せっかく企画しようとしても
(4) 職員からは
「強制ですか?」
「超勤扱いになるんですか?」
・・・などの消極的な声が
特に昨今は、昭和の時代とは異なり、
若手からも中堅からも、遠慮なくたくさん上がってきます。

日ごろ、
「あのスタッフこそ、
最もコミュニケーションがとれていないのではないか」
と思われるような職員ほど、
「やっぱり不参加の希望を申し出てきた」
ということも、珍しくないでしょう。

まして、昨今の働き方改革に加えて、
新型コロナの影響で、
(5) これまで行なわれてきた定例会議ですら、
「時間を短縮しましょう」
「人数を減らしましょう」
「各部署での伝達は口頭でなくノートで」
・・・などと、
対面でのコミュニケーションをはばかる傾向が
ますます強くなっています。

■結局、つまるところ、
「コミュニケーションを取ることは大事」
と頭ではわかっているけれど、
実際に
「コミュニケーションをとるのは嫌だ」
「コミュニケーションをとるのは面倒」
というホンネが働いているために、

いつまでも、
「コミュニケーションを密にしましょう」
という話が
建前で終わっているということです。

人は、
「自分が好きな人とのコミュニケーションは好き」
ですが、
多くの場合、
「好きでもない人とのコミュニケーションが重要」
なのです。

また、
「自分が気が進んだ時だけ、コミュニケーションをとりたい」
のですが、
多くの場合、
「現場は忙しくて、なかなか気が進まない」
のが実情です。

管理職は
「できるだけ声をかけるようにする」
と言いますが、
コミュニケーションに関心が向かない部下職員に
気を使いながら声をかけることになりますから、

なかなか、
習慣化することはありません。

業務で忙しそうにしている部下に
遠慮しながら声をかけるのを、
毎日のようにしつづけるのは、
強い意志や気長な根気、部下への寛大さが必要であり、
まして、習慣化することは至難の業です。

さらには、昨今の働き方改革に加えて、
新型コロナの影響で、
(6) これまで行なわれてきた定例会議ですら、
「時間を短縮しましょう」
「人数を減らしましょう」
「各部署での伝達は口頭でなくノートで」
・・・などと、
対面でのコミュニケーションをはばかる傾向が
ますます強くなっています。

なので、
「コミュニケーションは必要最小限でなければならない」
という考え方もあって、
対面のコミュニケーション、
とりわけ不要不急のコミュニケーションに
罪悪感を覚えている職員も少なからずいます。

■このようにしてみると、
「この人とコミュニケーションをとりたい」
と思わない相手とのコミュニケーションこそ、
大事であるにもかかわらず、
おのずと
そうした相手とはコミュニケーションをとらず、
疎遠になってゆくのが、
人間の自然な心理構造と言えるでしょう。

そして、コミュニケーション不足から
事故やクレームが発生するのも、
起きるべくして起きている、
と言っても過言ではないのではないでしょうか。

では、
「コミュニケーション不足が解消されないのは
そうした部下職員の責任なのか?」
といえば、それは違います。

人間には、
「コミュニケーションを取らなければならないと
頭ではわかっていても、
実際には、
必要に応じてコミュニケーションをとることはない」
という心理構造がある、という
客観的な事実を前提にすれば、

「コミュニケーションを密にしましょう」
と呼びかけて、
職員に投げてしまっていては、
組織が良くなることはありません。

したがって、
業務に向けている時間を割いてでも
コミュニケーションをとらせるには、
経営者の毅然とした意思表示が何よりも必要です。

そして次に、幹部職員や管理職が、
それを現場スタッフに浸透させる
役割を担うことになります。

他に代わってやってくれる人はいないのですから。
つまり、
コミュニケーションが密にならないのは、
コミュニケーションをとる・とらないを
現場の職員の意思に任せていることに原因があると
言わざるを得ないでしょう。

「できたら」
「なるべく」
「しっかりと」
と言うものの、現場職員に任せているようでは、
多忙な現場では、コミュニケーションが増えることはありません。

トップの毅然とした意思表示がなければ、
みな眼前の業務を優先してしまうのですから。

■とは言うものの、
意思表示をした後、
具体的にはどうすれば良いか?

職員任せにすることなく、
幹部職員・管理職員が、
組織の方針として
職員がコミュニケーションをとるように、
意図的・作為的に巻き込むことが必要となります。

ただし、健全なコミュニケーションが継続するには、
いくつかの、
絶対に欠いてはならない条件があります。

  • なんでも話せる関係性が必要
  • 毎日の定常的な場を設けることが必要
  • そして、業務の時間を割いてでも行なうこと
  • 職員の負担を最小限にすること

・・・以上です。

そのためのコミュニケーション・モデルが
1日5分の
「HIT-Bit」
です。

HIT-Bitの具体的な方法については、1Dayセミナーを開いています。