■社員に教育を施す場合、
勤務時間中に、業務の時間に代えて
学ばせるパターンが増えているとのことです。
勤務時間外に学ばせれば、
残業手当を支払うことになるばかりか、
強要すれば社員からは不評を買うことになるから、です。
講師料、時に残業代がかかる上に、
社員のモチベーションが低いので、
学んだことが現場では実践されない。
さらには「必要なことは会社がお膳立てしてくれるもの」と
社員を依存的にさせることが最も大きな害悪。
つまり、
「会社が教育する」ことには、
実は利益が少なく、圧倒的に副作用が多い、ということなのです。
考えてみれば、家族間でも、
大人になってまで親が躾をすることはありません。
義務教育を終えたらどんどん外に出て、
社会活動をしたりして揉まれた方が良いでしょう。
いまや昭和の時代とは異なり、
社員個人がいくらでも情報収集できる時代なのですから、
もはや、
会社が情報を揃えて上げ膳・据え膳する必要はない時代に
なっているのです。
こうしてみると、、
社員教育はできるかぎりしない方が良いだろいう、ということになります。
■とはいうものの、
会社が成長するためには、社員にも成長してもらいたい。
ではどうすれば良いか?
本質は、
「社員が学びたいと思うようにさせること」。
そして、
学ぶ必要性を感じて希望した社員にのみ、学び方を提供すれば良いのです。
たとえば、
- その課題の権威に手紙を書いて会いに行く
- その課題に関する地域コミュニティを立ち上げる
- その課題について学者と共同研究する
- その領域の関係者を集めてシンポジウムを開く
- その課題について同業と研究会を立ち上げる
……などなど、
「方法」だけを提供すれば、
あとは、
自分達でダイナミックに学び、行動するはずです。
第一、今の時代、社員が、
「答えは社内にあるものだ」と思っているようでは、
これまでにない新たな事態に対処できる組織には決してなれない。
■そもそも、
経営者・管理職は、
職場には大人が集まっているのに
「教育」という言葉が社内で交わされていることに
違和感を持たなければなりません。
成長してほしいなら、
社員が学ぶことを望むようにさせることが必要です。
本人が望んでもいないのに教育するのは、いまや
「教育ごっこ」でしかありません。