■「組織風土」という言葉がありますが、
日本の企業組織は、
ほぼ、この組織風土をつくったことがないと考えられます。
そもそも、
組織風土とは、指示命令によらなくても、
個々の社員の価値観が一定のレンジを形成している状態のことを言います。
つまり、
個々の社員が自分の価値観をOUT-Putしていること、
そして、
それは純然たる内発的な価値観(Will)であることが前提となります。
だからこそ、
予期しない問題提起・改善提案が飛び出し、Sparklingな(弾けた)組織になるのです。
■しかし、
世間一般の企業組織では、
経営者・管理職が価値観を社員にIN-Putして浸透させること、
そして、
それによって社員が与えられた価値観(Must)に従って考え行動することとなります。
そのため、
忠実になるあまり窮屈で退屈で予定調和を保とうとする、
Well-manneredな(行儀の良い)組織に収まってしまうというわけです。
平成時代に流行したような
ビジョン、ミッション、クレドなどが強調される組織では、
表面的には、社員が内発的価値観を持っているように見えて、
実際には、トップによる与えられた価値観に従っているという
構図に陥りがちとなる危険があります。
■自由を基調としたSparklingな「組織風土づくり」をしたいと願いながら、
実際には結果的に、
経営者・管理職の価値観を浸透させて「組織秩序づくり」をしてしまっている傾向が見受けられます。
では、どうすれば良いか?
まず、
社員が自分の価値観をOUT-Putすることが当り前の職場にすることです。
それはつまり、
経営者・管理職による自分の価値観の社員に対するIN-Putを徹底排除することを意味します。
これだけで、徐々に
社員の自己開示が始まります。
次に、自分の価値観を自由に言えるようになると、
もっと開示したいという欲求から、自己発掘が始まります。
普段意識していなかった自分の深い価値観を発掘するようになるのです。
このようにして、
社員一人ひとりも予期していなかった問題提起・改善提案が飛び出すようになってゆきます。
その結果、
指示・命令・教育・研修・指導・管理・評価・表彰がないのに、
社員の間から、つねに思いがけないことが生み出されるSparklingな組織風土となるというわけです。
■逆に、社員の価値観を解放しない組織においては、
経営者・管理職の価値観が浸透させられるので、
組織秩序が形成されることとなります。