■「なぜ、理念を定めているのに、現場に浸透しないのか?」
という声をよく聞きます。
また、
「なぜ、評価項目を細かく設けたのに、期待したような組織にならないのか?」
という声もあります。
「うちの考え方を、口を酸っぱくして何度も伝えているのに」
「朝礼で、クレドをみんなで毎日、唱和しているのに」
「接遇マナーのルールブックで、『思いやりをもった対応をしよう』と訴えているのに」
……などなど、
「伝えているはずなのに、なぜできないのか?」
と思っている人は珍しくないでしょう。
■その原因は、シンプルです。
この社会にも経営者・上層部から、管理職、新人にいたるまで、
ことごとく、
「指示命令体質」
が染み付いているからです。
大量生産の時代には、
こまかなニュアンスに配慮する必要はありませんでした。
製造の時代なので、
正確なマニュアルがあり、
それを渡された人は、忠実にマニュアルに従えば良かったのです。
そのため、私たちにとっては、
「伝えれば、できるはず」
という文化が前提になっているのです。
なので、
経営者・上層部・管理職は、
「伝える」以外に
方法を知りません。
一度で足りなければ、
繰り返し伝えるしかない、という発想しかありません。
部下職員も、
「従う」以外に、
方法を知りません。
これが、指示命令体質の限界です。
■英会話を学ぶとき、
「教えているのになぜ話せるようになれない?」
という講師はいないでしょう。
教えた後、受講者が
「こんな話し方で良いだろうか?」
と思いながら話してみて、
講師はそれを聞いた上で、
「ここが良い、ここは違う」
と指導しなければ、英会話が身につくことはないでしょう。
また、料理を学ぶとき、
「教えているのに、なぜ美味しい料理を作れないのか?」
という講師はいないでしょう。
教えた後、受講者が
「こんな調理方法で良いだろうか?」
と思いながら作ってみて、
講師はそれを食べるなどした上で、
「ここは上手、ここはもっと気をつけて」
と指導しなければ、本当に美味しい料理を作れるようにはならないでしょう。
■もうお判りの通り、
もし伝えたいことがあるならば、
相手が
「それは、こんな風にすれば良いのか?」
と思いながら実践してみて、
自分自身がそれを見たり対応した上で、
「ここは正しい、ここは少しニュアンスが違う」
とレスポンスしなければ、
本当に伝えた通りの意義が浸透することはないのです。
組織におけるケースに言い換えれば、
経営者・上層部・管理職が伝えるだけでなく、
部下職員が実践して見て、
経営者・上層部・管理職がそれを見たり対応した上で、
「これは正しい、ここは少し違う」
とレスポンスしなければ、
求めていることがきちんと伝わらない、ということです。
目に見える形あるものでない場合には、
「コピーした紙を配るように伝えれば、うまく伝わる」
というものではありません。
第一に、
「理念で求められているのは、こういう行動?」
「評価項目に歌われているのは、こういう言動?」
「いつもの考え方に沿っているのは、こういう行動?」
「クレドで宣言している行動とは、こういうこと?」
「思いやりをもってとは、具体的なこういう実践?」
と、職員が、実践を通じて答案を出すこと、
第二に、
経営者・上層部・管理職が、
「ここは正しい、ここはちょっと違う」
とレスポンスすること、
…の双方からのコミュニケーションがあって、
初めて、ニュアンスが次第に正確に伝わってゆくのです。
■こうした現場からの発信を促さず、
上席者からレスポンスすることもなく、
双方のコミュニケーションもなしに、
「伝えているのだから、できるはず」
と考えているとすれば、それは横着と言わざるを得ません。
しかし、そうした発想になってしまうのは、
指示命令体質がしみついているからに他なりません。
一方、自律進化体質においては、
現場からも
「求められているのは、こういうことだろうか?」
と発信することが当り前となります。
そして、上席者側も、
「ここは正しい、ここは少し違う」
とレスポンスするのが当り前となります。
なぜなら、
現場からどんどん新しい意見が上がり、
上席者側がどんどんレスポンスしなければ、
自律進化が生まれないからです。
「では、どうすれば、
現場からどんどん新しい意見が上がるのか?」
と気にかかるでしょうか?
前提として、
理念や評価に限らず、
日常において、大小様々な新しい意見が、
どんどん上がるような組織風土が必要となります。
そうした組織風土づくりの方法として、
患者サービス研究所がお勧めしているのが、
「HIT-Bit」
という手法です。
日々、新しい意見が上がるのが当り前の組織になります。
上席者側が予期しなかった問題提起や改善提案が
どんどん上がります。
したがって、上席者側からも、どんどん回答することができます。
コミュニケーションが旺盛になるので、
「これはそういうことか」
「あれは、こういう意味だったのか」
とさまざまな確認ができ、
理念や評価項目やクレド、その他日頃伝えているはずのことが、
正確かつ具体的に、現場に浸透してゆきます。
もはや、
「伝えているのに、なぜできないのか?」
と悩む必要は無くなります。
■患者サービス研究所では、
6ヶ月で自律進化組織へと変わる
「HIT-Bitプログラム」
を提唱しています。
■HIT-Bitについては、
現在、1Dayセミナーを実施してい
ます。
一過性の施策を卒業し、
本当に効果が永続する組織づくりを実現したい方は、
よろしければ、ぜひご参加いただければ嬉しいです。
◆ 1月27日(日)13:30〜16:30【金沢】
◆ 2月15日(金)13:30〜16:30【東京】
◆ 3月23日(土)13:30〜16:30【鹿児島】
◆参加費:1人当り4,000円
■自律進化組織が6ヶ月で生まれる方程式「HIT-Bitプログラム」
については、
ブックレットで概略をお読みいただくことも可能です。
A5判、76ページ
1部800円となります。
または、少人数で開催している
1Dayセミナーで詳しくお伝えしています。