一人の人間のように、柔軟で変化に強い組織になる方法

一人の人間のように、柔軟で変化に強い組織になる方法

■いまほど、医療機関が
柔軟に進化できる力を必要としている時代はないでしょう。

まさに、
「変わるのが当り前」
の組織体質へと変わらなければならない時代です。

経営陣・管理職の方々も、
「職員が一枚岩になったら、どんなに良いか」
と思っていることでしょう。

本来、どんな組織でも
職員が連携して、
組織が一人の人間のようになれれば理想だ
と、考えられているのではないでしょうか。

そのためには、
職員一人ひとりが細胞となり、
身体を組成するようになれば良いということになります。

では、
そのために必要なのは何か?

身体における細胞同士と、
組織における人間同士とは
決定的に何が違うのでしょうか?

■それは、
人間同士の場合には、感情があり、
異なる価値観があるということ。

細胞同士は、お互いの信号を受け取った時に、
「あれはいやだ、これはいやだ」
という拒否反応がありません。

わたしたちの身体の中で、
細胞同士に
「あれはいやだ、これはいやだ」
という拒否反応があったら、
命にも関わるたいへんなことです。

ところが、
わたしたちが勤務する組織の中で、
職員同士においては、
「あれはいやだ、これはいやだ」
という拒否反応が、しばしば存在しています。

拒否反応と言わないまでも、
「あの人から言われたからその気にならない」
「いま忙しいのでこの件はこれは気が進まない」
といった摩擦が、発生していることは、
みなさんもご存知でしょう。

むしろ、みなさんご自身の中にも
時として、そうした摩擦が発生することが
あるのではないでしょうか?

人間同士は、細胞同士とはまったく異なります。

「それどころじゃない」
「それ意味あるの?」
「あなたに言われる筋合いはない」
「やるべきことをやってからいってくれ」
「お前のいうことだけは聞きたくない」
などなどの摩擦の声は、珍しくないでしょう。

また、要否や急否などの理由によって、
相手から拒絶されることもあります。

軽視されていた、ということもあります。

伝えたことが伝わっていない。
伝えた通りに動いてもらえない。
むしろ足を引っ張ることさえある。

それが人間同士の厄介なところです。

こうした拒否反応や摩擦が、
身体の中の細胞同士において、
起きていたら、と思うと恐ろしいことですが、
組織の中の職員同士においては、
当り前のように起きています。

こんなに不健全で、不経済なことはありません。

■では、どうすれば良いか?

職員同士がお互いつねに信号を出し合い受け止め合うには、
信号を拒絶するバグをなくさなければなりません。

そのバグとは、
わたしたちが、
相手から送られた信号を、
捨てたり、無視したり、反発したりといった
良い関係性を阻害する作用のことです。

そして、
バグがない状態とは、
「どんな信号でも受け止める!」
という、お互いに安心できる関係性だと言えるでしょう。

そんな関係性を創るためには
職員がお互いに、
「なんでも言ってみて!できるできないは後で決めればよいのだから!」
というスタンスで接することです。

■具体的にはどうするか?

思っているだけでは伝わりません。

しかし、月例の会議で言い合っても
関係性が変わることはありません。

したがって、現実的で実効性があるのは、
つねにそれを言い合う、
ということに尽きます。

「なんでも言ってみて良い」
と思えるためには、
どんなことでも発言できることが大事です。

仕事のことであれ
プライベートであれ、

緊急のことであれ
いつでも良いことであれ、

良い話であれ
ネガティブな話であれ、

前向きな提案であれ
愚痴や不満や批判であれ、
・・・です。

そうすることによって、
「基本的に、どんな信号でも受け止める」
という関係性が築かれるのです。

お互いに、どんな信号でも重んじて応える。
それこそが、
「心理的安全性」
です。

ところが、医療現場では、なかなか
そうしたコミュニケーションができていないでしょう。

ではどうするか?

そのためのコミュニケーション・モデルが。
患者サービス研究所の提唱している
「HIT-Bit」
です。

HIT-Bitを行なうと、
職員同士、さまざまなことを話し合えるので、
これまでにない問題提起や
予期しなかった改善提案が飛び出します。

まさに、
柔軟に進化できる力を備えた医療機関が実現します。