幻想に注意! ゲームやワークで組織体質は変わらない

幻想に注意! ゲームやワークで組織体質は変わらない

■多くの経営者・役員が、
指示・命令をしなくても
現場がみずから動く組織を求めていることでしょう。

患者サービス研究所でも、
「自律進化組織」
を創ることをお勧めしています。

世間でも、
自走組織、
セルフ・マネジメント、
ボトム・アップ組織、
・・・などなど、呼び方は様々ですが、
目指す組織像は共通しているようです。

そして、そうした方々を対象に、
多くのコンサルタント会社が
「自走組織を作りましょう!」
「チーム・ビルディングを学びましょう」
という提案をしている様子が見受けられます。

最近では、
究極の理想組織
「ティール組織を作るプログラム」
が販売されているのも見かけます。

■しかし、
本当に自律進化組織づくりにつながらないものも少なくなく、
みなさんには、内容に注意されることをお勧めします。

というのも、
「チーム・ビルディングをする」
と言いながら、
職員にゲームをさせて学ばせる研修が
まだまだ出回っているからです。

たいてい
5~8名くらいのチームに分かれて、行ないます。

たとえば、
フラフープ・ゲーム。

フラフープの輪を囲んで輪になり、
それぞれ人差し指一本ずつを出して、
みんなの人差し指でフラフープを水平に持ち上げ、
高く上げるスピードを競うゲーム。

たとえば、
また別のフラフープ・ゲームも。
グループの職員が手を繋ぎながら、
一人が手に持ったフラフープの中を順番にくぐり、
早く全員がフラフープの中を通過する
スピードを競うゲーム。

あるいは、
ペーパー・ターワ・ゲーム。
紙やストロー、輪ゴムなどのいくつかのパーツが
各チームに配られ、
背の高いタワーを作り、
その高さを競うゲームです。

また、
バースデイライン・ゲーム。
職員同士が一切言葉を発してはならず、
身振り手振りだけで意思疎通して、
誕生部の早い順番に並ぶスピードを競うゲームです。

あるいは、オーソドックスな
ジェスチャーゲーム。

短文や名詞を、
職員同士がジェスチャーだけで伝え、
当ててゆくゲームです。

最近では、
屋内サバイバルゲームもあるそうです。

文字通り、研修会場に障害物を配置して、
倒し合うサバイバルゲームです。

また、お遊戯会でやるようなしっぽ取りゲーム。

全員が、ハンカチを腰につけて、
お互いに他のメンバーのハンカチを取り合い、
自分のハンカチを守って生き残るのを、
チーム対抗で行なうゲームです。

個人単位で競うゲームもいろいろあり、
たとえば、似顔絵ゲーム。

二人一組になって、お互いの似顔絵を描き、
誰が最も似た絵を描けたかを競うゲームです。

あるいは、漢字一文字ゲーム。

自分を表す漢字一文字を決めて、
お互いにその時を当てるゲームです。

互いのパーソナリティを理解し合うことにつながるとも言われています。

もっと単純な、宝探しゲーム。

室内に隠された宝物を
限られたヒントを元にして探し出すのを
チーム対抗で行なうゲームです。

あるいは、ゲームではなく、
クッキング・ワークを提案するコンサルタント会社もあります。

職員同士が協力しあって料理をして、
一緒に食べるので、
良いチーム・ビルディングになるのだという理屈です。

■ここまでで、みなさんはすでに、
「これではチーム・ビルディングを学ぶことはできない」
とお分かりでしょう。

上記に挙げたゲームやワークは、
確かに
楽しそうで、
職員の笑顔が見られたり、
普段やりとりしない職員同士の会話が得られるでしょう。

しかし、内容はいわゆる
会議などで、本題に入る前に
お互いが発言しやすくする場をつくるためにおこなう
「アイス・ブレーキング」
とされているワークでしかありません。

その場は、空気が和むでしょう。

しかし、
そもそも目指しているのは、
「こうした機会を与えてもらえた時に、その場が和む組織」
ではなかったはずです。

自律進化組織とは、
たとえお互いに負担が増えようとも、
「良いことはやろう!」
と提案することができ、
「ぜひやろう!」
と前向きに応じる声が上がり、
新たな取組がどんどん始まる
「自律進化が当り前に生まれる組織体質」
です。

研修の時にゲームをすることで、
こうした自律進化組織になることはありません。

なぜか?

■そもそも、組織づくりとは、
「組織体質づくり」
であって、職員一人ひとりの
思考習慣が生まれ、
行動習慣が持続するようにすることです。

単発の、一時的な研修で、
ゲームをたのしくやったところで、
思考習慣も行動習慣も、根付くことはありえないのです。

というのも、
人間にとって、
「習慣を身につけることは至難の業」
だからです。

それは、
私たちのことを振り返ればわかりやすいでしょう。

どんなに小さな恩にもすぐにお礼を返すことを忘れない習慣。

決まった時間に起床し、就寝前には1日を振り返る習慣。

常に整理整頓し、自分の作業環境を完璧に整えておく習慣。

自分にとって大切な人には、パソコンではなく、必ず毛書で手紙を書く習慣。

・・・などなど。

一時的な勉強をすることで、
こうした生活習慣を身につけることができたなら、
わたしたちの人生は、確実に大きく変わっていたのではないでしょうか?

もし習慣を身につけ
新しい体質を築くことが、
一時的なゲームやワークでできたなら、
こんなに楽なことはありません、

しかし、そんなことはあり得ません。

上記に例を挙げた研修は、
いわゆるアイスブレーキングをやることで
職員が楽しく過ごす、
それだけです。

組織づくりにはなりません。

■さらに、
まして、自走組織にも、ボトム・アップ組織にもなりません。

さまざまなゲームやワークで盛り上がったとしても、
研修後には、こんな声が聞こえてくるだけです。

「楽しかったです!次は、いつですか?」
と。

つまり、依存的発想、トップ・ダウン感覚は
何一つ変わっていない、ということです。

たのしくゲームをしただけなので、
発想や感覚が変わることがないのは必然ですね。

■こうしたコンサルタント会社が
「自走組織」
「セルフ・マネジメント」
「ボトム・アップ組織」
「ティール組織」
と言っていても、
本当の自律進化組織がどんな組織かを知っている人にとっては、
これらの研修が、まったく効果を持たないことが
一目瞭然でしょう。

それでも、コンサルタント会社がこうしたゲームやワークの研修を売り込んでくるのは、
いわば、
「ティール組織商法」
と言わざるを得ないでしょう。

あるいは、
「自走組織商法」
「ボトム・アップ組織商法」
です。

くれぐれも、こうした商売に振り回されないことをお勧めします。

■では、こうした実効性のない研修商法に
振り回されないようにするためには、
どうしたら良いか?

それは、本当に
「自律進化組織づくり」
をできるコンサルタントを見抜くことに他なりません。

そのポイントは、主に3つあります。

まず1つは、組織体質を変えるのですから、
研修のような一時的な施策ではなく、
必ず、定常的なコミュニケーション・モデルを提唱されていること。

次に2つめは、自律進化を促すのですから、
教育・研修・指導・管理といった、経営者・管理職から職員へのIN-Putを極力排し、
必ず、職員からのOUT-Putを最大化する施策であること。

そして、3つめは明確な目指すべき組織像を実現するまで、向上し続けるのですから、
ひたすら「まだまだ」と押し付けるのではなく、
進捗を客観的に測定できいなければならず、
必ず定量評価の方法を内包している施策であること。

つまり、

  1. 定常的なコミュニケーション・モデル
  2. IN-Putを最小化、OUT-Putを最大化
  3. 自律進化度を測定する定量評価

この3点がない施策には、
自律進化組織を作ることができないと考えられます。

■なお、患者サービス研究所では
これらの条件を満たし、
誰でも今日からすぐにできる最もシンプルな方法
「HIT-Bit」
を提唱しています。

HIT-Bitを導入すると、
1ヶ月で、現場の空気が変わり、
4ヶ月で、現場から
それまでになかった問題提起や改善提案が
現場から上がるようになります。

自律進化組織づくりの方程式
「HIT-Bit」
については、
現在、1Dayセミナーを行なっています。

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