■誰しも、人事評価をされるなら
「公正に評価してほしい」
と願っていることでしょう。
しかし、
多くの組織論では、
「評価者もまた人間なので、どうしてもバイアスがかかる」
と説いています。
そのため、
そうした組織論や、それを元にしたコンサルタントは、
バイアスを説明しています。
すなわち、以下のようなものです。
- 中心化傾向…評価が真ん中に集まってしまい、平準化してしまう(これは、部下をしっかりと観察できていない場合に起こるでしょう)
- 寛大化傾向…評価が甘くなってしまう(これは、部下を厳しく評価するだけの、上司としての自信がない場合に起こるでしょう)
- ハロー効果…一つの良いことに印象を左右され、すべてに渡って良い評価をしてしまう(評価者に緻密さがない場合に起こります)
- 逆算化傾向…はじめに結果が決まり、それに合わせて各項目を評価してしまう(これも評価者が、分析力がない場合や、感覚的な場合に起こります)
- 論理誤差…評価者が、一部の条件から関連づけて先入観で判断してしまう(これは、評価者に強い思い込みがある場合に起こります)
- 対比誤差…評価者自身と比べて評価してしまう(客観的なものさしがない以上、主観評価となります)
- 期末評価…評価する時期もしくはその直前の動向の印象に引きずられて評価してしまう(これも、客観的なものさしがない以上、主観によって歪んだ評価が起こります)
そして、コンサルタントはこう言います。
「以上のように、バイアスがかかってしまうことがわかっています。
したがって、そのようなバイアスが働かないように
注意しましょう」
と。
そして、
「注意しましょう」
ということほど、意味がないことは、
みなさんもご存知の通りです。
とかくコンサルタントは、分類してみせて、
「理解できたでしょう」
と言いますが、
本来は、分類した後に、
「具体的にどうすれば良いか?」
こそが重要なはずです。
分類だけコンサルタントに
騙されてはなりません。
また、いずれにしても、
客観的な評価方法がなく、
主観評価をしている限りは、
「そんな感じがする」
という評価の域を出ませんから、
公正・公平な人事評価は決して実現しません。
また、人間が評価する以上、
どうしても、
評価対象に対する先入観やイメージに引きずられてしまうことを
避けられない、と思われるでしょう。
では、どうすれば、
客観的に評価することができるでしょうか?
■最も公正・公平な評価は、どんな評価か?
世の中で行なわれている公正・公平な審査に
学ぶことができるでしょう。
たとえば、芥川賞の審査です。
同賞の審査においては、
審査委員は、
著者を明かされずに作品を読んで評価をつけると言います。
つまり、
「誰の作品かは、知らずに審査する」
ことによって、
審査委員は、
作者のイメージや、作者に対する好き嫌いなどの
余計な情報に惑わされることもなく、
また余計な意図を差し挟むこともできず、
純粋に作品の内容だけで審査されることになるというわけです。
誰の作品であろうと、
良くも悪くも審査に手心を加えようがないのですから、
こんなに公正・公平な評価はありません。
ぜひ、
「人を評価する」
ことを排し、
「事実を評価する」
ことに徹底して、、
「客観評価」
を実現されることをお勧めします。
■なお、
「事実を評価するにはどうしたらよいか?」
その方法が必要でしょう。
そこで、患者サービス研究所は
日々、現場で生まれている事実を
細大漏らさず把握して、
評価材料となる「事実」を蓄積するための方法、
「HIT-Bit」
をお勧めしています。
HIT-Bitを行なっていれば、
日々現場から上がってくる事実情報を
蓄積することができるので、
n=”left”>その事実情報のうち、
「だれが」
という主体を切り離して、
「なにをどのようにした」
という言動だけを抜き出せば、
「この部下だから」
とか
「あんな言動をした部下だから」
といったバイアスを完全に排除することができるのです。
主語なき言動について、評価をつけた後、
それぞれの言動を、
主体となる職員ごとに分類すれば、
結果、
「各職員に対する人事評価」
が出来上がるのです。
このようにすれば、
上述したような「バイアス」が一切働かない
人事評価が可能になります。
ぜひ、このように徹底して主観評価を排し、
公正・公平な人事評価を実現することをお勧めします。