■いま、医療業界は未曾有の大激変の時代を迎えたことは
改めて言うまでもなく、
みなさんが、日々痛感されていることでしょう。
- 2019年4月、医師の労働時間の削減
- 2019年9月26日、424の公的・自治体病院への再編促進
- 2020年1月以降の、コロナショックにより法人・施設の枠を超えた感染BCPを視野に入れた地域医療構想が必要に
と、10年に1回の大変化の波が3つ、
1年間に立て続けに襲いかかってきた
「30倍速の激変時代」
です。
■医療機関もまた、
柔軟に、スピーディに変化してゆかなければ
致命傷となる時代とも言えます。
「変化するのが当り前」
とならなければならないこともまた、
みなさんはすでにご存知のことです。
ところが、普段みなさんも感じておられる通り、
「変わりたくない人種」
がいるもので、
変化しようとした時に、
思いがけなくブレーキをかけられてしまう、ということが、
多々あります。
変化しなければ、
「座して死を待つのみ」
ともなりかねません。
その都度、
ブレーキに悩み、困っていては、
いくら時間と手間をかけてもキリがありません。
では、どうするか?
■まず、
「動いている人の意見を重んじる」
と宣言されることをお勧めします。
なぜか?
みずから行動している人こそ、
組織を正しい方向へ導いてくれる可能性が高いからです。
というのも・・・
- みずから動く人は、
- 自分が関与している課題に執着を持つ
- そのため、他の職員以上に、最も高い関心を持つ
- したがって、誰よりも的を射た問題提起をしてくれて、
- 誰よりも、最も実情に合った改善提案をあげてくれて、
- さらに、誰よりも当事者意識が高いので、
- みずから行動する執着を持ってくれています。
つまり、
ダイナミックな変化にも前向きで、
生産的な成果を実現してくれるのです。
その反対に・・・
- みずから動かない人は、
- 課題に対する執着も関心も大きくなりません
- そのため、問題提起をしても的外れとなり、
- 外野からの意見なので、改善提案もお門違いとなります。
- 自分自身が行動するほどの執着はもとよりありません。
つまり、
意見を求められても、
「できるだけ自分が手間や時間を奪われたくない」
「ましてや責任を負うようなことは御免だ」
と言う本音を背景にして、
あれこれ懸念材料ばかりを上げる傾向があります。
ダイナミックな変化どころか、
小さな変化に対してすら
ブレーキとなるようなことしか言わないので、
組織としては
こんなに非生産的なことはありません。
要するに、
「動かない人からは、良い意見が上がるはずがない」
考えてみれば、
必然的な原理です。
■いま、
「みずから動かない人」
と聞いて、
みなさんの中に、
上司や同僚、部下の顔が浮かんだ方も
少なくないのではないでしょうか?
どんなに上位の役職を持っていても、
ブレーキになることばかりを言う人もいますが、
そんな人は、
みずから動いていないはずです。
なので、
そうした人の意見を聞いてはなりません。
逆に、
役職がなくても、
みずから動いている人には、
「自分で現場を見てきたらこうだった」
「自分で人と会ってきたらこうだった」
「自分も現場に入ってやってみたらこうだった」
と、
誰よりも臨場感のある話をしてくれるはずです。
このように、
みずから動き、
執着と関心を持っている人の意見を重んじることです。
■念のため強調しておきます。
「ああすべき、こうすべき」
と思考で人を動かそうとする人がたくさんいますが、
みなさんのような経営陣・管理職の立場にある方は、
思考によって人を動かそうとしてはなりません。
思考ではなく、
「執着」によって動く人を見極めたり、
動いて欲しい職員には、執着を持たせるようにしなければなりません。
なぜなら、誰しも、
思考によって自分や人を動かすことは至難の業であり、
誰しも、執着があれば理屈抜きで(否応無く)向き合う心理構造があるからです。
■とりわけ、
いまのように、
ダイナミックに変わるべき時代においては、
ブレーキ要素(となる人の意見)を
徹底して排除しなければいけません。
理事、役員、部長職、委員会・・・、
こうした役職者の中にも、
「動かない人」
「執着がない人」
がたくさんいるものです。
そして、
理事会、役員会、部長会、委員会などで
集まってもらった時には、
意見を述べることでしょう。
その都度、
ブレーキに悩み、困っていては、
いくら時間と手間をかけてもキリがありませんから、
今日からでも、
理事会、役員会、部長会、委員会の都度、
毎回、
「動いている人の意見を重んじる」
と宣言されることをお勧めします。
組織ダイナミクスを生み出すには、
こうして、ブレーキを徹底的に排除することが不可欠です。