ピラミッド組織もダメ、フラット組織もダメ。ではどんな組織が良いのか?

ピラミッド組織もダメ、フラット組織もダメ。ではどんな組織が良いのか?

■昨今は、ヒエラルキーを前提とした、

上下関係による組織運営に問題がある、と

言われるようになりました。

 

その結果、

「フラットな関係が良い」

とも言われています。

 

しかし、

ピラミッド型の上意下達組織を否定するのは良いのですが、

そんな発想に慣れていないために、

「完全なフラットな組織にするべきだ」

という極端な意見が出回っている始末です。

 

完全にフラットな組織が、本当に健全に経営されうるのか?を考えてみれば、

それが雑な発想だということはすぐにわかるでしょう。

 

もしたった二人の組織であったとしても、

「この案件をとるのかとらないのか?」

の決定に温度差があります。

 

責任の重さも、

クライアントに対する責任感も、

社会に対する責任感も、

業務を遂行する上での流儀も、

そして、

業務を遂行したことについて意味づけ、すなわち自分自身の評価も、

それぞれです。

 

「ティール組織は評価もない」

と言いますが、

それは、

世間からの評価は、事業として成立するかどうかで明らかとなるから、あえて評価はいらない、という意味では正しいですが、

そこに働く職員同士において、

誰が貢献度が高いかをお互いに当人同士で評価することは困難なので、

実は、やはり公正な事前のルール(つまり、評価基準)に基づく評価が必要となるのです。

 

当人同士で折り合いがつかない時には、

ブロックマネージャーのような役員が介入して調整することになりますので、

これは企業の人事考課とさほど変わりない結果となります。

 

むしろ、日常的に現場に関与していない人が

人事考課に介入することは、簡単ではなく、

ティール組織であっても、

職員の納得を得られるような調整をできるマネージャーを配置するには、

実は高度なテクニックのある職員が必要となってしまうのです。

 

こうして考えて見ると、

完全にフラットな組織は、

高度な技能や微妙なバランスの上に成り立つことはあっても、

それが広く世間の組織の標準になるには、

無理があることがお分かりでしょう。

 

■また、そもそも、人には関心の濃淡があり、

ある強い関心を持った職員が

「どうしても、これを成し遂げたい」

と主張しても、

それ以外の職員は、当然ながらそれほどの関心を持っていないので、

当然、消極的になります。

 

大掛かりな提案をされるほど、

周囲は、巻き込まれては困るとばかりに、否定的になる傾向があります。

 

問題があってもピンとこない職員もいて、

「そこまでやらなくても」

「ま、様子を見ていずれまた考えましょう」

と取り合おうとしない、というケースも

みなさんの現場でも見受けられるのではないでしょうか?

 

「民主的」

といえば聞こえは良いのですが、

それは、前向きな意見も後ろ向きな意見も尊重してしまうために、

結局、腰の重い組織になってしまう性質をはらんでいるのです。

 

協会や、組合や、または理事が多い団体などが、

先例主義に陥りやすかったり、

危機を迎えながらも抜本的な改革ができず、

いわゆる「ゆでがえる状態」になって、

組織が衰退したり腐敗したりしてゆくことがあるのは、

むしろ意外なことではない、ということなのです。

 

こうした組織における心理構造を見てみると、

フラットな組織が、

必ずしも生産的な組織ではない、ということが浮き彫りになってくるでしょう。

 

では、これからの時代は、どんな組織が良いのでしょうか?

 

■それは、

お互いにつねに意見を尊重し合うフラットな組織を

基礎に持ちながらも、

「必ず良くしてゆく」

という執念を持ったトップが、

そこで上がった意見のうち、

前向きな意見だけを取り上げ、推進してゆく組織です。

 

これは各部署も同じです。

 

部下職員が、つねにより良くするために、

問題提起や改善提案を上げ、

管理職が、決裁だけをする、という組織です。

 

現場が自由に意見を上げる点ではフラットですが、

トップや管理職が最終的な決裁権を持っている点では

完全なヒエラルキーが存在する、

そんな組織です。

 

例えて言えば、

現場に存在する問題や提案をどんどん刈り取って上にあげ、

それらを上部で

実と殻に分別して実だけを蓄積してゆく構造は、

「コンバイン型組織」

と言えるかもしれません。 

 

みなさんの組織において、現場の職員の方々は、

コンバインのように、

時々刻々、現場からの問題提起や改善提案を上げてきてくれているでしょうか?

 

また、トップや上層部は、

コンバインのように、

上がってきた問題提起や改善提案を、

時々刻々、前向きなものとそうでないものとに分別して、

前向きなものだけを取り上げては、

実として、蓄積しているでしょうか?

 

このような組織になることで、

前向きな意見が活かされ続けるので、

自律的かつ進化が当り前の組織となるわけです。

 

では、こうした

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「自律進化組織」

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